シングルファザーとして、今後やっていけるか不安..
という方へ、父子家庭で起きやすい問題と対処法について、すべて解説していきます。
シングルファザーが直面する問題のテーマを、大きく分けるとこちら。
- お金
- 家事
- 子育て
- 恋愛
そして、これらへの対処法として
- やっておくべきこと
- 活用すべき支援制度
- 助けになるサービス
についてお話してきます。
知っておくだけで、父子家庭での暮らしをより良くできるものが多々あるので、ぜひ参考にしてみてください。
≫ 最新のひとり親向け支援情報をSNSで発信中!【シングルファザー向け】
父子家庭での問題と対処法
問題①:お金
あなたが一番悩んでいることでしょうし、実際多くのシングルファザーが
一人で子供を養っていけるのかな..
と経済的な不安を抱えながら生活をしています。
それを表しているのが、こちらのデータ。
- 児童のいる世帯の平均収入 :813万円
- シングルファザーの平均収入:518万円
※参考:厚生労働省 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査
父子家庭の収入は、一般家庭の7割ほどしかないという状況..
背景は様々ありますが、有効な対処法を2つお話します。
支援制度を活用する
世間でよく聞かれる「母子家庭への支援制度」は、基本的にはひとり親向けの制度なので、シングルファザーでも受けることができます。
主なものをざっとまとめると、こちら。
制度 | 内容 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|---|
児童扶養手当 | ひとり親家庭への手当 | 月々:10,740円〜45,500円 | 所得制限あり |
児童育成手当 | 東京都独自の手当 | 月々:13,500円 | 児童扶養手当と合わせて受取可 |
医療費助成 | 医療費の一部を助成 | 東京都:医療費の自己負担割合が1割で済む(上限あり) | 自治体により負担内容が異なる |
子供の医療費助成 | 子供の医療費の一部を助成 | 東京都:小中学生の通院1回にて自己負担が200円までに | 自治体により負担内容が異なる |
住宅手当 | ひとり親の家賃を助成 | 月々:5,000円〜15,000円 | 自治体により制度の有無あり |
ひとり親控除 | 所得税の負担軽減 | 総所得金額から35万円を控除 | 所得制限あり |
遺族年金 | 死別された方への年金支給 | 月々:90,000円〜110,000円 | 収入/厚生年金の加入実績で金額決定 |
高校通学費の割引 | 高校生の通学定期券の補助 | 神戸市:通学定期券の全額補助 | 自治体により制度の有無あり |
水道料金の割引 | 水道料金が割引される | 東京都:1ヶ月18㎥まで無料 | 自治体により制度の有無あり |
もし、
知らなかったな
という支援制度があれば、父子家庭での生活を支えてくれるかもしれません。
詳しくまとめた記事をご用意したので、こちらもチェックをどうぞ。
≫【まとめ】シングルファザーが受けられる12の手当・支援サービス
養育費を受け取る
元妻に支払える経済力はたぶんないよ..
それに、もう関わりたくないしな..
と思ったかもしれません。
しかし、養育費は子供の健全な成長と進路を応援するための、いわばサポート資金。
父子家庭の養育費の相場は、約2万6千円(月)。
受け取っている人と受け取ってない人とでは、その差は10年間で312万円にもなります(参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果)
312万もあれば、子供が進路について
〇〇に進みたい
と言ったとき、「経済的な面で断念せざるを得ない..」というケースもグッと減るはず。
子供の将来を応援するためにも、ぜひ養育費は受け取る方向で考えてみてください。
とはいえ、
養育費を受け取るには、何をすればいいの?
という方も多いかと。
養育費を受け取るには、元妻と金額・期間・支払い方法について、以下のステップで決めていきます。
- 話し合いで公正証書を作る
↓ - 調停(話し合いで決まらなければ)
↓ - 審判(調停で決まらなければ)
具体的な方法は以下で解説しているので、どうぞ。
≫ シングルファザーの養育費の受け取り方【受給率・相場もご紹介】
問題②:家事
離婚するまでは家事はあまりしてこなかった..
というシングルファザーの方も多いかと。
父子家庭の初期において、不慣れな家事と仕事の両立で疲労困憊してしまう方は実際たくさんいます。
それもそのはず、父親の1日当りの平均家事時間は
- ふたり親の父親:35分
- 父子世帯の父親:91分
とシングルファザーは一般的な父親の3倍近い家事をしていることがわかっています(参考:労働政策研究・研修機構:2018年子育て世帯全国調査 )
慣れればある程度は楽になるものの、それまでは肉体的にも精神的にもかなりキツい期間。
そのため、最初の頃だけでも、積極的に周りの助けを借りてみましょう。
「親とは離れてるし、周りに頼れる人もいない..」という方も多いと思うので、オススメなサービスを3つご紹介します。
日常生活支援事業
ひとり親が日常生活で困ったとき、自治体が家事・育児のサポーターを派遣してくれるサービスです。
メリットは料理の安さ。
1時間当り70〜300円という破格値です。
- ひとり親家庭になった直後や就職で日常生活に支障がある場合
- 自立促進に必要な場合(就職活動など)
- 社会的事由(出張・残業など)
「今まさに忙しすぎて、家事に手が回らない..」という方は、一度お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
食材宅配サービス
シングルファザーの方の中には、
掃除・洗濯は問題ないけど、料理は苦手..
という人もいるかと思いますが、そんなときに食材宅配サービスがオススメ。
メリットがこちら。
- 買い物の時間・手間がなくなる
- カット済の食材が届くので、洗い物が少なくなる
- 料理メニューを考えなくて済む
- 管理栄養士が考えたメニューなので、栄養バランスが整っている
料理の負担が減れば、子供の宿題を見る時間を作れたり、睡眠時間をたっぷりとることもできます。
とはいえ、
値段が気になるな..
という方も多いかと。
そこで、コスパの良い食材宅配サービスを下記にまとめましたので、よければどうぞ。
≫ シンパパ・シンママの料理が楽になる食材宅配サービス【オススメは2つ】
家事代行サービス
父子家庭で不慣れな家事に悩んだら、家事代行サービスの活用もアリです。
たとえ、1ヶ月に1回の利用でも、シングルファザーには以下のメリットが。
- 子供とゆっくり過ごせる時間が生まれる
- 身体を休められ、また仕事・育児を頑張れる
- プロの手で家が綺麗になり、生活にゆとりが生まれる
こちらも安定した品質があり、月々6,000円ほどで利用できる家事代行サービスを以下にまとめましたので、よければどうぞ。
≫【まとめ】格安な家事代行サービス2選【シンママ・シンパパ向け】
問題③:子育て
父子家庭では、子育てで問題を抱えやすいことを表しているデータがあります。
身体的暴力・育児放棄のいずれかを行った経験がある割合
- 父子家庭 :13.0%
- 母子家庭 :10.7%
- 二人親世帯の母親: 6.1%
- 二人親世帯の父親: 2.0%
参考:2018年 子育て世帯全国調査(労働政策研究・研修機構)
背景は様々で、これを聞いて
自分は児童虐待なんて絶対しない
と感じる方もいるかと思います。
しかし、社会の状況として、父子家庭が子育てにおいて問題を抱えやすい環境下にあることは事実。
事実を認識し、対策を考えることは、父子生活を送る上で決してマイナスにはならないはずです。
父子家庭の子育てにおいて発生しやすい問題と、対処法について解説していきます。
父子家庭の子供が抱えやすい気持ちを知る
父子家庭で適切に子供に接していくためには、子供の気持ちを理解してあげることがまず大切。
父子家庭では以下の状況もあり、一般家庭の子供とは異なる気持ちを抱えている場合があります。
子供の勉強を週に1〜2回以上見る
- ふたり親世帯:47.5%
- 母子世帯 :36.9%
- 父子世帯 :27.8%
子どもと一緒に夕食をとる回数が週3日以下
- ふたり親世帯:10.8%
- 母子世帯 :19.6%
- 父子世帯 :38.9%
父子家庭の子供が抱えやすい気持ちと対処法について、以下で詳しくまとめているので、ぜひどうぞ。
また、死別の父子家庭では、子供へのグリーフケア(死別などで悲嘆に暮れている人が、悲しみから立ち直れるようそばで支えること)が必要になります。
特に子供に対しては重要で、うまくケアできないと非行に走ったり、引きこもってしまう可能性があると言われています。
子供へのグリーフケアで「推奨されること」「しないほうがいいこと」を以下にまとめているので、こちらもぜひ。
≫【死別の父子家庭向け】子供へのグリーフケアで推奨されること・しないほうがいいこと
ファミリーサポートを活用する
子育て中に悩んだり、イライラすることがあれば、「周りの助けを借りる」というのも立派な子育ての手法であることを覚えておいてください。
他人からサポートをしてもらうことで、
- 効率的な子育ての方法が見つかったり、教えてもらえる
- 一時的に休むことで英気を養い、また良い子育てにつながる
と状況が好転するケースは多々あります。
その点で、ファミリーサポートは超オススメ。
自治体が運営している「子供預かりサービス」で、地域の住民から
子育ても一段落して、働くお父さん(お母さん)のサポートをしたい
という人を引き合わせてくれて、子供の預かり・送迎をしてもらえます。
仕事・急用のほか、「一息リフレッシュしたい」という理由でも利用可能です。
最大の魅力は、料金の安さ。
- ファミリーサポート: 600〜1,000円
- ベビーシッター :2,000〜3,000円
利用には事前登録が必要です。
ちょっと子供を預かってほしいな
と思ったときにパッと利用できるよう、一度お住まいの自治体に確認してみてください。
娘の生理に対して事前に準備する
ユニクロが「娘を育てた経験があるシンパパ100名」を対象にした調査によると、
「困った経験がある」と答えた人の73%:「娘の身体の成長 (初潮・バストの変化) に困った」
ということがわかりました(参考:PR TIMES プレスリリース ユニクロ)
娘の身体の変化、特に生理についてはシングルファザーが自らの経験で教えることができないため、父子家庭でもっとも難しい問題となっています。
娘さんの気持ちを傷つけず、うまく対処するには事前の準備がとても大切で、具体的には以下3つ。
- 事前に生理について話しておく
- 娘が相談できる人を探しておく
- 生理品の購入は、必要以上に話さなくていいようにする
詳しい方法は以下で解説しているので、どうぞ。
支援団体で同じシンパパ仲間を見つける
父子家庭の子育てで問題にぶつかったとき、「周りに同じ境遇の人がいないから、相談できない..」という方も多いかと。
そんなときは、シングルファザーの支援団体が行っている交流会がオススメ。
同じ悩みを共有できるシンパパ仲間が見つかり、
うちはこんなふうに問題を解決したよ
と子育てに関する有益なアドバイスを聞けるかもしれません。
交流会の多くは、無料・オンラインです。
詳しくまとめた記事をご用意しましたので、ぜひチェックしてみてください。
≫【まとめ】シングルファザーの支援団体5選【活動内容・場所・料金など】
問題④:恋愛
父子生活が落ち着いていくると、「また恋愛がしたいな」という思いが湧いてくると思います。
しかし、そこで立ちふさがる問題が
「シングルファザーも恋愛対象です」という女性がなかなか見つからない..
というもの。
その実情を物語っているデータがあります。
Q:シングルファザーは恋愛対象に入りますか?
入る:20.3%
マイナビウーマン アンケート
入らない:79.7%
世の大半の女性はシングルファザーとの出会いを希望していない、という事実。
しかし、落ち込むことなかれ。
「恋愛対象に入る」と答えている女性が、ちゃんと存在することも事実です。
しかもこの少数派の女性たちは、優しさ・責任感の強さといった「シンパパならではの魅力」を理解してくれています。
恋愛の問題を乗り越えるには、いかに「シンパパは恋愛対象外」という女性を避け、この少数派の女性を見つけれるかがカギとなってきます。
シングルファザー向けマッチングアプリを活用する
シンパパ男性も恋愛対象です
という女性を見つけるに当たって、オススメなのがシングルファザー向けマッチングアプリ。
システム上、出会う前から相手が「シンパパOK」という女性かどうか確実にわかります。
具体的には、ReRe (リリー) と ユーブライド というアプリで、特徴がこちら。
- ReRe (リリー):会員は「子供がいる人」と「子供がいる方との出会いを希望する人」のみ
- [PR] ユーブライド:プロフィール内で「子供がいる人との出会いの希望の有無」を選択できる
詳細はこちらでもまとめているので、ぜひどうぞ。
»【断言】本当にシングルファザー向きなマッチングアプリは2つだけ
また、彼女ができたあとも、子供と彼女の関係性や、再婚のタイミングに悩むことがあります。
そんなときに、よくしがちな勘違いがこちら。
- 子供と彼女が仲良くならなかったら、関係は終了すべき
- 再婚は子供が小さいうちにすべき
なぜこれらが勘違いなのか、以下で詳しく解説しているので、事前にチェックをどうぞ。
≫ 父子家庭の恋愛における、よくある勘違い3選【事前に解消しましょう】
悩んでいるのはあなただけではない
父子家庭での生活は、辛いこと・大変なことも多々あると思います。ただ、サポートしてくれる人は必ずいますし、支援制度・サービスも少しづつ整備されつつあります。
そして、あなたの悩みは、あなただけのものではありません。
「自分だけが悩んでいるわけではない」と知れるだけでも、肩の荷が少し下りた気分になれるので、以下の記事も参考にどうぞ。
私たちReRe(リリー)も、シングルファザーとして頑張るあなたを応援しています。
父子家庭で問題にぶつかったとき、この記事をまた参考にしていただけたら幸いです。