シングルファザーで養育費を受け取ってる人はどれくらい? 相場は?
という方へ、厚生労働省が令和3年に行った最新版の調査結果をお伝えします。
- 現在も受けている:8.6%
- 受けたことがある:4.6%
- 1世帯平均月額:26,992円
参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果
少ないな..
と感じたかもしれません。
しかし、実は受給率は年々少しづつ増加傾向に。
2万6千円を15年間受け取り続ければ、トータル468万。子供の進路も応援しやすくなります。
養育費は子供の権利であり、健やかな成長を支えることができる大切なお金。周りの状況に関係なく、受け取れる場合は受け取るべきです。
相手が支払えるのに支払ってくれない場合の請求方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
≫ 最新のひとり親向け支援情報をSNSで発信中!【シングルファザー向け】
シングルファザーの養育費の受給率 (推移)
「現在も養育費を受けている」or「養育費を受けたことがある」と答えた方は、全体のうち
- 平成18年:4.0%
- 平成23年:7.0%
- 平成28年:8.1%
- 令和3年:13.2%
と増加傾向にあります。
(平成23年度全国母子世帯等調査 / 平成28年度全国ひとり親世帯等調査/令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果)
様々な場所で「シングルファザーも養育費を受け取ろう」と言われていますし、今後もこの割合は増えていくでしょう。
また、父子家庭における養育費の取り決め率も
- 平成18年:15.5%
- 平成23年:17.5%
- 平成28年:20.8%
- 令和3年 :28.3%
と増えてきています。
「シングルファザーは養育費を受け取らないのが普通」なんて考えは、全く持つ必要がないわけです。
シングルファザーの養育費の相場 (推移)
養育費の相場も、子供の人数別にデータを詳しく見ていきます。
養育費 | 総数 | 1人 | 2人 | 3人 |
---|---|---|---|---|
平成18年 | 22,500円 | – | – | – |
平成23年 | 32,238円 | 28,125円 | 31,200円 | 46,667円 |
平成28年 | 32,550円 | 29,375円 | 32,222円 | 42,000円 |
令和3年 | 26,992円 | 22,857円 | 28,777円 | 37,161円 |
仮に子供が1人だったとしても、10年養育費を受け取ったらトータル274万円にもなります。
いざ「子供の夢を応援したい」となったとき、経済的に大きな支えとなってくれるでしょう。
父子家庭でありがちな養育費に対する勘違い
下記は、シングルファザーが養育費の取り決めをしなかった理由です。
- 自分の収入等で経済的に問題がない:32.9%
- 取り決めの交渉がわずらわしい:19.9%
- 相手に支払う意思がないと思った:32.0%
- 相手に支払う能力がないと思った:38.5%
- 相手に養育費を請求できることを知らなかった:1.9%
- 子どもを引きとった方が、養育費を負担するものと思っていた:11.8%
- 取り決めの交渉をしたが、まとまらなかった:4.6%
- 現在交渉中又は今後交渉予定である:1.6%
- 相手から身体的・精神的暴力を受けた:3.8%
- 相手と関わりたくない:34.3%
参考:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果
特徴的なのが、32.9%もある「自分の収入などで経済的に問題がない」という意見。母子家庭への調査では、7.3%しかない意見です。
しかし、どれだけ
もらわなくても十分暮らしていける
という場合でも、養育費は子供の将来を応援するためのお金です。
受け取り続けた養育費を貯めて、それが数百万の貯金になれば
- 勉強のための参考書籍代
- 部活動で使う用具・備品代
- 大学の入学費用・授業料
といった教育費に充てることができます。
「お金の面で子供の夢をサポートできなかった..」という事態も防げるでしょう。
養育費は子供の権利。
父子家庭においても、子供を起点に考えるようにしてみてください。
≫ 参考:元嫁との面会交流・養育費における関わり方【シングルファザー向け】
養育費の決め方・手続きについて
ここまで読んできて、
養育費の受け取りって、どうやって決めていけばいいの?
という方もいるかと思います。
基本的に養育費は、下記のステップで決めます。
- 話し合い
↓ - 調停(話し合いで決まらなければ)
↓ - 審判(調停で決まらなければ)
ステップ①話し合い
まずは、話し合いでの決定を目指します。
金額は裁判所が定めた「養育費算定表」をベースに、期間・支払い方法を決めます。両者だけで合意できるのなら、第三者の承認は必要ありません。
注意点が、口約束だけでなく、決めた内容を「公正証書」という書面にまとめておくべき点。
公正証書があれば、相手が養育費を支払ってくれなくなった場合でも、裁判所を通じて強制的な回収ができます。
- 相手と近くの公証役場という場所に行く(事前確認必要)
全国の公証役場一覧
※東京・大阪・名古屋・福岡の4庁では、Web会議での調停も導入されています
↓ - 公証人 (法律実務を長く経験した人) に、2人が養育費について話し合ったことを伝える
※その場で話し合ってもOK
↓ - その内容をもとに公証人が公正証書を作る
ステップ②調停
話し合いで解決しない場合は、調停というステップに進みます。
調停とは、家庭裁判所に申し立てて、裁判所の調停委員に仲介してもらいながら話し合うことです。
裁判というと、
お金がかかりそう..
と思うかもですが、費用は5,000円以内で済む場合がほとんどで、弁護士なしでも調停はできます。
ステップ③審判
調停で話し合いが合意しなかった場合は、審判といって、家庭裁判所に判断を委ねることになります。
と、以上が養育費を決める大まかな流れ。
公正証書の作成・調停は、離婚から年月が経っていてもできます。前向きに検討してみてください。
養育費について相談できる場所
養育費についてわからないこと・不安があるとき、弁護士や自治体に相談するのも一つですが、
同じシングルファザーの人に相談したい..
という方もいるでしょう。
そういう場合は、シングルファザーの支援団体に頼ってみることをオススメします。
同じ境遇の仲間が見つかるだけでなく、スタッフの方は長年シングルファザーの支援を行ってきた人たち。きっと、養育費についても有益なアドバイスをもらえるでしょう。
最近は、オンラインの相談・交流会も増えています。気になった方は下記HPを見てみてください。
また、養育費以外にも父子家庭での問題(お金・家事・子育て・恋愛)と対処法について、以下ですべてまとめているので、こちらもよければどうぞ。
≫【シングルファザー向け】父子家庭での問題と対処法【完全マップ】