「ステップファミリー」という言葉を聞いて、

いや、初めて聞いたなあ
という場合でも大丈夫です。
厚生労働省の発表によると、日本でステップファミリーという言葉を知っている人はわずか12%しかいないからです。
ステップファミリーとは「再婚・事実婚によって、血縁関係のない親子がいる家族のこと」をいいます。子連れ再婚もステップファミリーの1つ。
ステップファミリーでは、血縁関係のない親・子どもに対して、ストレスを抱えてしまうことが多くあります。
欧米ではよく社会問題として取り上げられ、ステップファミリーに関する情報・支援体制も多く整っているのですが、日本では認知率の低さもあり、支援体制はまだまだ不足していると言われています。
今回はそんなステップファミリーについて、
- 今の日本における現状
- みんなが悩んでいること
- 日本で相談できる支援団体
をご紹介していきます。
ステップファミリーとは
ステップファミリーの定義


結婚・再婚・事実婚によって、血縁関係のない親子関係が生まれた家族のこと。また、そういった関係を築いていく段階(ステップ)のこと。「ステップ」=「継ぐ」という意味もある。
ステップファミリーは「うまくいかない」と言われることが多いです。
なぜなら、血の繋がっていない家族関係に対して、親側も子ども側もストレスを抱えやすいからです。
夫婦間で教育方針が違ったり、子どもと血がつながっていないパートナーに対して愛情のかけ方に不満を覚えるケースも多くあり、夫婦関係が悪くなりやすいことも理由に挙げられます。
再婚者の離婚率は50%!


現在の日本は「結婚する3組に1組は離婚する時代」と言われていて、離婚率は35%もあるとされています。
また、「結婚する4組に1組はどちらかが再婚である」ということも厚生労働省の調査からわかっており、それだけ離婚・再婚は珍しいことではなくなってきています。
さらに、「再婚をする人は、初婚の人よりも離婚する確率が高い」ということもわかっています。
2012年にアメリカで発行された「Psychology Today」という雑誌によると、再婚した夫婦は67%の確率でその後離婚、さらに再々婚した夫婦は75%もの確率で離婚しているとのこと。
もちろん、日本よりも離婚の割合が多いアメリカのデータということもありますが、日本では再婚した夫婦のおよそ半分の50%が、再々婚の夫婦では70%が、そのあと離婚していると言われています。
- 初婚の離婚率:35%
- 再婚の離婚率:50%
- 再々婚の離婚率:75%
なぜ、再婚者の離婚率は初婚の人たちよりも高くなるのでしょうか?
よく言われることが「離婚に対するハードルが低くなっている」というもの。
- 1度離婚したから、2度目も躊躇しなくなるんだろう
- バツ1もバツ2も戸籍上は同じ「離婚歴あり」だから、離婚に対する不安が少ないんだろう
ですが、本当にそれだけでしょうか?
もちろん、本当に心理的ハードルが低くなって離婚する人や、そもそも結婚自体が向いていなかった人もいるでしょう。
離婚は結婚の何倍ものパワーが必要になります。
不安・喪失感・虚無感。
人によって程度は違えど、こういった負の感情に耐えて、新しい生活へと目を向けて進んでいかなければいけません。
なので、離婚でそういった経験をしている人なら、
- 次の結婚は失敗しないようにしよう
- 初婚で学んだことを再婚に活かそう
- 勢いだけで決めず、本当にうまくいくか考えて決めよう
と思って再婚する人がほとんどだと思います。
そういった意味で再婚は、初婚で失敗したことから学び・気づきを得て新しい生活を始めていけるので、「初婚よりもうまくパートナーとの関係を保ちやすい」という面もあるはず。
離婚に対する心理的ハードルが下がっただけで、再婚者の離婚率が大きく上がるとは思えません。では、本当の原因はいったい何なのか?
初婚と再婚の大きな違いは、シングルマザーが初婚男性と再婚したり、お互いに子連れ再婚するケースが出てくるので
血の繋がっていない親子関係である「ステップファミリー」が生まれるケースが格段に多い
ということです。
そのため、ステップファミリーで起きる問題が、再婚者の離婚率が上げてしまっている最大の原因ではないかと考えられます。
≫ 参考: ステップファミリーの離婚率はなぜ高い?【逆にしたほうがいい場合もあります】
ステップファミリーが抱える悩み・問題
ステップファミリーは、大きく分けて3つの家族パターンがあります。
- 男性 (子なし) & 女性 (子あり)
- 男性 (子あり) & 女性 (子なし)
- 男性 (子あり) & 女性 (子あり)
もっとも多いのは、1.の 男性 (子なし) & 女性 (子あり) というパターン。日本ではシングルファザーよりもシングルマザーの方が圧倒的に多いので、必然的にそうなります。
このとき男性は初婚の場合もあれば、再婚の場合もあります。
なぜなら、男性は前の奥さんとの間に子どもがいて再婚する場合でも



養育費は払っているけど、前の子どもとは一緒には住んでいない
というケースが多いからです。
そのため、結果的に「男性側は自分1人」&「女性側が子連れ」という形で、家族がスタートしていくパターンが1番多くなります。
そして、ステップファミリーで関係がもっとも上手くいきやすいのも、この男性 (子なし) & 女性 (子あり) のパターンだと言われています。
※ちなみに、ステップファミリーでは血の繋がっていない親子について以下のようにいいます。
- 継親(ままおや):連れ子とは血の繋がっていない親
- 継父(けいふ) :連れ子とは血の繋がっていない夫
- 継母(けいぼ) :連れ子とは血の繋がっていない妻
- 継子(けいし) :継親とは血の繋がっていない子供
最も多い悩みは、継父と連れ子の関係性


日本で1番多いステップファミリーの形は、男性 (子なし) & 女性 (子あり) のパターンです。そのため、ステップファミリーにおいて1番多い悩みは「継父と連れ子の関係性」になります。
継父と連れ子との関係で、ステップファミリーの方々がよく悩むのが



連れ子が懐いてくれない
ということ。
この場合、連れ子の心情について考えてみる必要があります。
連れ子は物心がわかる年頃であれば、ステップファミリーがスタートする時点で、両親の離婚 or 実の親との死別によって、すでに心に大きな傷を負っていることがあります。
また、子供は両親が離婚しても



いつかお父さんとお母さんが仲直りして、またみんなで暮らせる日がこないかな
と少なからず希望を持っていたりします。
しかし、そこへ新しい父親がやってくると、その見知らぬ大人の男と暮らさないといけないことへの不安・息苦しさから、さらに精神的ストレスを受けることになります。
そして、その知らない男と仲良くする実の母親に対して、裏切りの思い・怒りの感情が溢れ出てきたりもします。
加えて、子供が中学生などの思春期であれば、母親が実の父親以外の男と男女の関係になったことに対し、嫌悪感や軽蔑を感じることもあります。
「子供が懐いてくれない」という悩み以外では、



連れ子にどう接していいかわからない
というのもあります。
なぜなら、継親は連れ子の「性格・成長度合い」を把握できていない状態からスタートすることになるので、ずっと一緒にいる実の母親(妻)とでは子育ての感覚も違い、戸惑いが出てきてしまうからです。
「良い父親になろう」という思いと、現実のギャップ


ステップファミリーで、継父の多くは



たとえ血は繋がっていなくても、好きな女性の子供だから良い父親になろう
と頑張ります。
しかし、自ら積極的にコミュニケーションを取ろうとしても、連れ子に嫌がられたり、心を開いてくれなかったりするケースも多々あります。
なぜなら、ステップファミリーが形成される時点で、連れ子は心のダメージを負っている場合があるから。
また、血の繋がりがない親からしつけられると、疎ましく感じやすいこともあります。思春期であれば、実の親にもうっとおしさを感じるものですし、それが血の繋がっていない親なら尚更でしょう。
そうして「自分は頑張っているのに、連れ子が懐いてくれない」という状況が繰り返されることで、継父も苛立ちやストレスを覚えていってしまいます。
そして最終的には、



この連れ子とは俺は根本的に合わない。もう嫌いかも
とコミュニケーションを諦めてしまいがちに。
そうなると、実の母親である妻側も



夫が自分の子供との時間を取ってくれようとしない。愛情が不足してるわ
と夫婦間でも不満が生まれやすくなります。
そして、妻がそれを継父へ不満として「もっと子供の子育てに協力してよ!」というふうに言ってしまうと



お前のしつけ・教育がなっていないからだ!
と喧嘩になりやすく、関係が悪化して「離婚」を選択してしまう夫婦も多くいます。
ステップファミリーでは、お互いの感情を認めることが大切


ステップファミリーで家族の絆を深めるために大切なことは、「子どもと自分、両方の感情を素直に認めてあげること」です。



え、どういうこと?
と思いますよね。
多くのメディアではよく、「子どもの気持ちを第一優先に!」と勧めているところがあります。もちろん、子どもの気持ちは絶対に大切にしないといけません。
しかし、親である自分の感情を押し殺してまで「連れ子のために尽くそう!」とまでは、頑張らなくてもいいんです。
- 連れ子が懐かなくて、イライラする
- 血の繋がっていない子どもなんて、正直可愛くない
ステップファミリーの親子関係の中では、こう思ってしまうことも多々あります。実際、多くの継父・継母はそのように感じた経験があると言います。
けど、本音では「連れ子が可愛くない」と思っていても、それを恥じたり、自分を責めたりする必要はありません。そうでないと逆にストレスを溜めてしまい、連れ子への態度に現れてしまいかねません。
そこでもし、連れ子が可愛くないと感じてしまったら、下のステップを踏んでみましょう。
- まずは、自分の感じていることを認めてあげましょう
血の繋がらない子どもが可愛くないというのは、生物学的にも仕方のないこと。そう思えてくると、少し冷静に今の状況を見ることができます。
↓ - 次に、子どもの感情に目を向けてあげましょう
確かに心の中では連れ子は可愛くないと思っていても、ステップファミリーの中での父親は継父だけ。子どもに父親として接し、成長を促すことができるのも継父だけです。
このように、まずは自分の感情を認めてあげることで、人は冷静に今の状況を見ることができます。
これは瞑想の世界でも大切にされている考え方で、実践してみることで、次第に連れ子の感情にも落ち着いて目を向けてあげることができます。
連れ子自身も悩んでいます。
実の両親だけで暮らせなくなったことで、心にショックを受けています。まだまだ未熟な年齢であり、精神的なストレスは大人の何倍も感じています。
そういった連れ子の感情に冷静に目を向けてあげることができれば、接し方も少し柔らかになることができます。
たとえ、連れ子が懐いてくれなくても、
- この子も大変な思いをしているんだ。きっと、実の父親がいいいんだろうな。
↓ - けど、この子の今の父親は自分。今は嫌われていても、向き合ってあげてコミュニケーションをとってあげよう。
と思えてくるはず。
ステップファミリーで大切なのは、頑張りすぎず、過度に期待せず、ありままの状況や感情を受け入れて冷静になること。そして、ゆっくりと子供と向き合っていくことです。
≫ 参考:ステップファミリーで、子供の気持ちに寄り添うために大切な5つのこと
ステップファミリーがうまくいくコツ
①子どもを叱るときは実親から


ステップファミリーでの子どもに対するアンケート調査では、



継親から怒られるのが嫌だった



実の親でもない人から叱られたくなんかない
という声がとても多いそうです。
こういった声に対し、「誰が面倒を見てやっているんだ!」と感じる方もいるかもしれません。
ただ、子供も親の都合で一般的ではない暮らしをしていることも理解してあげましょう。そのような環境で実の親ではない継親から怒られるというのは、確かにストレスのかかることなのです。
そういったとき、子供に対して怒る・叱る役目は実の親に任せるというのは良い方法です。実際、ステップファミリーに関するアドバイザーからもオススメされている方法です。
具体期には下記のとおり。
- 連れ子を叱りたくなったら、一呼吸おく
↓ - 実の親であるパートナーを経由して叱ってもらう
↓ - 継親は褒めて、支えてあげる役に徹する
こうすることで、連れ子も継親がそばで優しく支えてくれたことに感謝の気持ちを持てて、信頼関係もグッと増します。
②お父さん・お母さんと呼ばなくていい


ステップファミリーにおいて、連れ子の継父・継母への呼び名に悩む人は多いです。
こちらも、ステップファミリーで育った子どもへのアンケートを見ると、



実の親でない人を、パパ・ママと呼ぶのが嫌だった



実の親から「継親をお父さんと呼びなさい」と言われたことが、すごく違和感だった
という声がとても多くあります。
結論、連れ子の気持ちを考えると、継親のことを「お父さん・お母さんと呼びなさい」と強制することは良くありません。
なぜなら、強制的に呼ばせると、離れ離れになった実の親への寂しさ・喪失感がより一層増して、それが精神的な負担へと繋がってしまうからです。
そこでオススメなのが、ニックネームで呼んでもらう方法。うまくいっているステップファミリーほど、よくニックネームで継親のことを呼んでもらうケースが多いです。
何も「お父さん」「お母さん」と呼ぶことがだけが、家族の形というわけではありません。
「お父さん」「お母さん」でなくても、ニックネームで呼んでもらえるのであれば、きちんとコミュニケーションが取れている証拠です。
より良いステップファミリーを築くためには、これまで認識してきた「家族という考え方の枠」を広く持つことが大切です。何なら「家族になろう」ということも、あまり意識する必要はありません。
相手への尊重と、血のつながりにかかわらず



一つ屋根の下で暮らしていくチームとして連携していこう
という気持ちが持てれば、ステップファミリーはうまくいきやすくなります。
③実の親にも会いやすい環境を


日本では、離婚の際に子供がいた場合はどちらかが親権を獲得し、親権を得ることができなかった親は面会交流という形で子供と合うことになります。
ただ、多くの場合、面会交流で親権を持たない親と子供が会えるのは月1回と少ないです。
また、親同士の関係が悪く、「元夫・元妻とはもう会いたくないから」と親の感情だけで面会交流をしないケースも多々あります。
さらに、親権を持つ親がステップファミリーになると、親権を持たない親からもらっていた養育費が減額・免除される場合があります。
そうなると、



もう養育費もらってないし、もう子供を会わせたくない
と親都合で勝手に決めてしまうケースもよくあります。
しかし、子供が嫌がるなら別ですが、そうでないなら、できるだけ別れた夫(妻)とも子供が会える時間を取ってあげるようにしましょう。
離婚や再婚は親の都合ですし、実の親と自由に会えることは「子どもにとっての権利」です。
欧米では、離婚してからお互い別々のステップファミリーになっても、子どもは父親と母親に平等に会えるようにしているケースがほとんどです。
再婚しても、元夫と元妻は家族ぐるみで付き合っているケースが多く



いつでもお父さん (お母さん) に会える
という方が、子どもにも安心感と成長に良い影響を与えます。
最近では、俳優の窪塚洋介さんが前の奥さんとの子供の誕生日を、前の奥さん・今の奥さん・今の奥さんとの子供と、みんなで祝ったことがインスタグラムで話題となりました。
窪塚洋介さんは、元妻との子供を、現在は自分が再婚した家族と一緒に育てています。それでも、元妻との交流を断絶するようなことはせず、家族ぐるみの付き合いを続けています。
インタビューでも、こう述べられています。
いろんなこと言う人はいるけど、でも別に誰に見せるための家族でもないわけで、自分たちが幸せを感じ、自分たちが必要で寄り添って一緒にいることが幸せだし、うれしいこと
窪塚洋介さんの家族は、日本というステップファミリーが浸透していない社会の中で「家族の自由なあり方を体現する一つのロールモデル」といえます。素敵ですよね。
≫ 参考:ステップファミリーの男性芸能人3名【家族の絆の作り方を学べる】
セメントベビーについて


ステップファミリーでは、セメントベビーに関する悩みもとても多くの人が抱えています。
セメントベビーとは、ステップファミリーの中で新たに生まれてくる赤ちゃんのこと。連れ子が片親と血が繋がっているのに対し、セメントベビーは両方の親と血が繋がっています。
ステップファミリーにセメントベビーが加わると
- 血の繋がっていない子ども
- 血の繋がっている子ども
の両方と暮らしていくことになるので、生活もガラッと変わります。
特に、継親と連れ子の関係性は大きく変わります。
どうしても、連れ子よりも自分と血の繋がった子どもの方が可愛く思えてしまうのです。
セメントベビーに関する悩み


セメントベビーを持つ親の悩み



セメントベビーが生まれてから、連れ子のことが可愛くなくなってしまった。話しかけられるだけで、嫌悪感も感じる..



継父である夫は、最初は連れ子である私の子供とも仲良くしてくれたけど、セメントベビーが生まれてからは態度が急変してしまった..
やはり、セメントベビーが生まれると、連れ子との愛情格差という悩み・問題はどうしても発生してしまいます。
セメントベビーを持つ前の親の悩み
セメントベビーについては、赤ちゃんを産む前からも、感情の変化や周囲からの反対による葛藤・不安・悩みの声が多くあります。



周囲から「連れ子が可哀想だ」とセメントベビーを持つことに反対される..



セメントベビーが生まれた後、血の繋がっていない連れ子を愛せるのか心配..
セメントベビーに対する連れ子の悩み
もちろん親だけでなく、連れ子もセメントベビーが生まれることへの不安・複雑な感情を持っています。



血の繋がっていない自分は愛されないんじゃないかな..



もう私はどうでもいいと思われるのかな..
ステップファミリーでセメントベビーが生まれると、実の親・継親・連れ子それぞれが悩みをかかえます。
実際、「セメントベビーはステップファミリーを壊す」とも言われているくらいです。
セメントベビーが生まれても、うまく暮らしていくコツ


① 連れ子と関係ができてから
ステップファミリーでセメントベビーを持つ場合、連れ子に対する配慮は絶対に必要です。もちろん母親の出産年齢のこともありますが、セメントベビーを持つことに焦りは禁物。
ステップファミリーの初期段階では少なからず、連れ子は継親に対して「自分の親を奪った人」という恨みのような気持ちがあります。
そんな中でセメントベビーが生まれてきたら、連れ子は



親を奪われた
という気持ちをさらに強めてしまいかねません。
ただ、そういった気持ちも、継親と連れ子が少しづつコミュニケーションが取れるようになってくると、次第に薄まっていきます。
そして、継親と連れ子の関係がある程度できていると、ステップファミリーはセメントベビーを持っても崩壊しにくくなります。
もともと、セメントベビーの「セメント」には「絆を強くする」という意味合いがあります。
しかし、実際には
すでにステップファミリーの中に良好な関係ができているからこそ、セメントベビーが加わることでより一層家族の絆が強くなっていく
ということが言えると思います。
② 連れ子の気持ちも聞く
連れ子に何も言わずにセメントベビーを持ってしまうと、ただでさえ疎外感・寂しさを感じやすい環境にいるのに、さらに精神的な追い込みをかけてしまいかねません。
ステップファミリーで大切なのは「連携している」という一体感です。再婚・セメントベビーを持つかどうかのような家族の重大な決定ごとは、必ず連れ子の意見も聞いてあげるようにしましょう。
ときには、セメントベビーについて



兄弟なんていらない
と反対されることもあるかもしれません。
そうなったら、なぜ兄弟がほしくないのかを聞いてみるのも良いです。
思っていることを聞いてあげることで、連れ子の不安な気持ちを和らげることができますし、ステップファミリー内でできる対策を一緒に考えることもできます。
③生まれた後も、常に連れ子のフォローを
ステップファミリーでセメントベビーを持った後は、連れ子へのフォローが特に重要です。
セメントベビーが生まれてしまうと、



実の子のほうが可愛く思えてしまう..
となるかもしれませんが、それは本能的に仕方がないことで、多くの継親が経験することです。
なので、連れ子が可愛く思えなくなってしまっても自分を責めることなく、その気持ちも素直に認めてみましょう。その次に、連れ子の気持ちにも目を向けていくことが大切です。
そのとき、より大切になるのは夫の連れ子へのフォローです。なぜなら、妻側はどうしても育児でセメントベビーに付きっきりになってしまうからです。
連れ子の寂しさを少しでも埋めてあげれるよう、夫が連れ子とコミュニケーションを取り、そばで見守るようにしましょう。2人で難しければ、祖父母・それ以外のコミュニティーを頼るのも良い方法です。
世間では「セメントベビーはステップファミリーを壊す」と言われていますが、セメントベビーを持っても幸せな家庭を築いているファミリーはたくさんいます。
夫婦間のコミュニケーション・連れ子とのコミュニケーションがとれていてれば、セメントベビーを諦める必要は決してないはずです。
≫ 参考:セメントベビーとは?子連れ再婚で子どもを作るときに知っておきたい6つのこと
ステップファミリーの支援団体


ステップファミリーで悩み・不安をかかえたときは、支援団体を頼るのもオススメです。
NPO法人「M-STEP」「SAJ」では、ステップファミリーの悩みや不安について、無料で電話相談することができます。
「NPO法人 M-STEPのミッション」
NPO法人 M-STEPホームページより
ひとり親家庭及び子連れ再婚家庭(ステップファミリー)を対象に、当事者及び家族問題支援に従事する人々に、有益な情報と教育事業を提供する。 また、ステップファミリーを代表とする家族形態の多様化による養育問題に係わる支援活動事業を行い、家庭内の問題に対し、親と子のピアサポート目的とした子育てに携わる世代、性別を超えたネットワーク作りを行うことにより、広く公益に寄与することを目的とする。
・SAJ(Stepfamily Association of Japan)
SAJは2001年に活動をスタートした、研究情報に基づいたステップファミリー支援情報と教育プログラムの提供をする非営利団体です。
SAJ ホームページより
≫ 参考:日本でステップファミリーの支援を行っている貴重なサポート機関を3つ紹介!
幸せなステップファミリーはたくさんいます


大変なことも多いステップファミリーですが、家族それぞれがお互いの気持ちを認めてあげて、それに向き合っていくことで、幸せな生活を送っている方々はたくさんいます。
今ステップファミリーとして暮らしている方は、ぜひ今回の内容を参考に家族と向き合ってみてください。
また、「子連れ再婚ってどうなのかな?」と思っていた方は、ステップファミリーに対してネガティブになりすぎず、ぜひ幸せの一つの選択肢として前向きに考えてみてください。