「日本のステップファミリーの離婚率は、初婚同士の夫婦より1.4倍も高い」と言われています。
いったい、なぜなのか?
その要因と、ステップファミリーで離婚しないための対策をご紹介します。
また、
- 離婚しやすい夫婦の組み合わせ
- 離婚しやすい子供の状況
- 逆に離婚したほうが良い状況
もあるので、対処法と合わせて解説します。
- ステップファミリーの離婚要因を知ることで、対策ができる
- ステップファミリーで悩んでいるのは、自分だけじゃないことを知れる
- ステップファミリーで離婚を防ぐための、具体的な方法がわかる
≫ 参考:ステップファミリーを知るための完全マップ【言葉の意味〜崩壊を防ぐ対策まで:7記事で解説】
ステップファミリーの離婚率が初婚の1.4倍も高い理由

まず前提として、今の日本は「結婚する3組に1組が離婚している」と言われています。そして、さらにその離婚率は年々増加しています。
また、アメリカでは「2組に1組が離婚している」とも言われており、日本も徐々にそれに近づいていっているのが現状です。
日本の年間の婚姻数は、約60万人。そして、離婚件数は20万人です。つまり、3人に1人は一生のうち離婚を1回は経験するということです。離婚率は35%。
これでも十分「多いな」という感じですが、これが再婚した人に限ると離婚率はさらに伸びて、なんと50%にもなります。初婚同士の離婚率より1.4倍も高いことに。バツ2の再婚となると、さらに離婚率は75%まで跳ね上がります。
- 初婚の離婚率:35%
- 再婚の離婚率:50%
- 再々婚の離婚率:75%
この理由として
と言う人もいますが、そうとも限りません。
初婚同士の家庭と違うのは、再婚する家庭にはステップファミリーが含まれるという点。つまり、ステップファミリーでの問題が、再婚者の離婚率を押し上げている理由の大きな1つであることは、容易に想像できます。
ステップファミリーで離婚しやすい要因
① 連れ子と継親の関係が良くない

血の繋がりのない家族関係であるステップファミリーにおいて、一番多い離婚理由は「継親と継子(連れ子)の関係が良くないから」です。
◆継親の気持ち
アンケートなどを見ても、継親たちのリアルな苦悩が見えてきます。
実子でも、自分の言うことを聞かないと腹が立つものです。それがステップファミリーで、相手が血の繋がりのない継子(連れ子)となると、「本当にムカつく」「嫌い」という心の声が相次いで聞かれます。
ステップファミリーでは、最初に

血の繋がりはなくても、継子(連れ子)の良い親になろう

好きな人の子供だったら、自分ならきっと愛せる
と意気込む人ほど、子供からの想定外の反応・反抗的な態度にとまどい、悩んでしまう傾向があります。
なぜなら、子供は特に親が離婚したばかりだと、まだ離別した親への喪失感・虚無感でいっぱいなことが多く、そんなときに継親が「私が親だ」という態度で接しても、それを認めることができないからです。
そうすると、せっかくステップファミリーで良い親になろうと頑張ったのに、継子(連れ子)が自分を親として見てくれないことに対し、次第に継親も

継子(連れ子)が全然懐いてくれない。辛い。。

やっぱり、離婚したほうがいいのかな。。
と、「離婚してステップファミリーを解消する」という選択を考えるようになってしまいます。
② セメントベビーが生まれる→継子との愛情差が発生しやすい

次に、ステップファミリーの離婚要因で多いのが以下のパターンです。
- ステップファミリーでセメントベビーが生まれる
↓ - 継子(連れ子)と実子で感じる愛情差が発生
↓ - 離婚を考える
継親が、継子(連れ子)とうまく関係ができていて

実の子供が生まれても、継子(連れ子)もこれまでと同じように愛そう
と心に誓っていても、実際にステップファミリーでセメントベビーが生まれてしまうと、ほとんどの人が実の子と継子(連れ子)の、心から湧き出る愛情の差を感じてしまうといいます。
こんな声がセメントベビーが生まれると、ステップファミリーの方から多く聞かれます。
「もっと平等にしないと」と頑張ってみても、本能的な愛情の差が縮まることはありません。それどころか、平等に愛情を感じれない自分に対し、かえって余計にストレスを感じてしまいます。
また実親の方も、パートナーがセメントベビーばかり可愛がって、継子(連れ子)とはやり取りしない or 厳しくするなどの態度を見て、離婚を考えるようになってしまったりします。
そのため、セメントベビーの誕生というのは、ステップファミリーの離婚のきっかけとなりやすいことが言えます。
≫ 参考:【セメントベビーとは】子連れ再婚で子供を作るときに大切な6つのこと
ステップファミリーで特に離婚しやすい夫婦の組み合わせ

ステップファミリーでは、
- 子なし夫 × 子あり妻
の夫婦の組み合わせは比較的うまくいきやすいとされています。
逆に、それとは反対に
- 子あり夫 × 子なし妻
- 子あり夫 × 子あり妻
のステップファミリーでは、夫婦は離婚しやすいと言われています。
なぜなら、まだまだ日本では「育児は妻に」と考えている男性は多く、ステップファミリーの生活において、どうしても女性が継子(連れ子)と接する時間が増えてしまうからです。
妻にとっては、今まで経験したことのない育児というストレスがのしかかり、さらに相手は血の繋がりのない継子(連れ子)で「実子のように愛情も湧いてこない」という状況。
ステップファミリーで、妻は二重のストレスを抱えてしまい、

こんな生活もう無理!
と離婚したくなってしまうのです。
ステップファミリーで離婚しやすい連れ子の年齢

ステップファミリーが離婚しやすい条件として、「継子(連れ子)が思春期である」ということも1つあります。
なぜなら、継子(連れ子)の年齢が上がるほど、それだけ元の生活で慣れ親しんだ生活習慣があるので、ステップファミリーになって別の生活リズム・教育方針が加わると、その分反発も起きやすくなるからです。
さらに、継子(連れ子)が小学校高学年・中学生の思春期であれば、多感な年ごろで実親に対しても反抗的になるのに、それがステップファミリーで相手が血のつながりのない継親となると、その反発心はさらに強くなります。
ステップファミリーでこんなことを継子(連れ子)から言われて、あなたは離婚を考えずにいられますか?
実際、こういった思春期の継子(連れ子)からの反抗的な態度に耐えかねて、離婚を選択する夫婦は多いです。
また、思春期の子供であれば「実親が血の繋がりのない相手と男女の関係になったことに嫌悪感を感じ、それでさらに距離が離れていってしまう」ということも、ステップファミリーの離婚のきっかけになりやすいです。
ステップファミリーで離婚を防ぐ対策
ここまで聞くと、

ステップファミリーで離婚を回避するのは無理なんじゃ?
と感じてしまったかもしれません。
しかし、ステップファミリーで離婚せず、うまくいっている家庭もちゃんとあります。
ここからは、ステップファミリーで離婚を防ぐための対策をご紹介していきます。
① 愛せなくてもいい。無理せず焦らず、時間をかけること

ステップファミリーで離婚しないために大切なことは、とにかく時間をかけること。最初は、継子(連れ子)を愛せなくても構いません。ある意味それは、本能的で仕方のないことです。
みんな悩んでいる → 継子(連れ子)を愛せないのは自然なこと
という視点を持ってみましょう。それだけでも、心を落ち着かせることができて、ステップファミリーで起きる問題に冷静に対処することができます。
そして、最初は継子(連れ子)に愛情を感じれなくても、時間の経過とともに、少しづつ「同じひとつ屋根の下に住むメンバー」として、仲間意識みたいなものが芽生えてくるようになっていきます。
② 親にならなくてもいい

愛情深い人ほど、ステップファミリーで

良い親になろう!
と意気込み、継子(連れ子)に対して熱心に教育・しつけをしようとしてしまいます。
しかし、これらの多くは逆効果で、ステップファミリーでは継子(連れ子)からの反発・無視が起きます。
なぜなら、継子(連れ子)は、両親の離婚・急に変わった生活環境によってストレスを感じていて、精神的に不安定になっている場合が多いからです。
ここで知ってほしいことが、継親が頑張って親になろうとしなくても、子供はちゃんと成長するということです。
また、無理に子供に干渉することがなくなれば、ステップファミリーでストレスを溜め込んで離婚を選択する、ということも起こりにくくなります。
このあたりは、山口もえさんと結婚してステップファミリーになった、爆笑問題の田中さんの例が参考になります。詳しく知りたい方は、ぜひこちらをどうぞ。
≫ 参考:3人の女性芸能人ステップファミリーから学ぶ、子連れ再婚で大切なこと
③ セメントベビーが生まれても、連れ子を優先的に

ステップファミリーでセメントベビーが生まれたら、意識的に継子(連れ子)を優先して扱うことをオススメします。
例えば、こんな感じ。
実はこれら、堀ちえみさん、明石家さんまさんがステップファミリーで実践している方法なんです。こちらも下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
≫ 参考:ステップファミリーの男性芸能人3名【家族の絆の作り方を学べる】
④ 妻側が継親になるなら、夫の育児参加は特に必須

ステップファミリーでは「子なし夫 × 子あり妻」より、「子あり夫 × 子なし妻」「子あり夫 × 子あり妻」の方が離婚しやすいことは、先ほども言いました。
理由は育児が女性に任せられがちで、どうしても継子(連れ子)とのやり取りの時間が増えるからですが、そうならずにステップファミリーの離婚を回避するためには男性の育児参加が特に必須です。
できるだけ、妻が子育てから離れられる時間を作ってあげて(初婚同士の夫婦でも同じですが、ステップファミリーでは特に!)、フォローの声かけも意識的に多くすることが離婚を防ぐためには大切です。
⑤ 連れ子が思春期なら、ステップファミリーになるのを遅らせるのが吉


好きな人と早く一緒に住みたい!
という思いもあるかもですが、その後の生活の難しさを考えると、相手 or 自分に思春期の子供がいるなら、ステップファミリーになるのは避けた方が無難です。
逆に、思春期の継子(連れ子)からの反発でステップファミリーでの生活に大きなストレスを溜め込んでしまい、それが原因で夫婦関係が悪くなって離婚へ、となっても本末転倒ですよね。
なので、継子(連れ子)が思春期の場合は「一緒に住むタイミングを遅らせる」というのが、ステップファミリーで離婚を防ぐためには賢明な判断となります。
⑥ 困ったら支援団体を利用する

まだまだ数は少ないですが、日本にもステップファミリーの支援団体というものがあります。
ステップファミリーで離婚がふと頭によぎったときは、こういった支援団体のサポートを利用するのも一つです。
この2つは、日本では数少ないステップファミリーに関する専門性・支援実績がある団体なので、ステップファミリーで離婚しようか悩んでいるときにも、的確なアドバイスをもらうことができます。
≫ 参考:日本でステップファミリーの支援を行っている貴重なサポート機関を3つ紹介!
逆に離婚した方が良いケース

ステップファミリーでは、離婚よりも最悪な結果があります。それは継親から継子(連れ子)への虐待です。
血の繋がりがないゆえ、ステップファミリーでの虐待は、一般的な家庭よりも圧倒的に起きやすいとされています。それを証明するのが、下のデータ。
◆子どもの虐待件数 実親同士・ステップファミリー比較
子どもの年齢 | 0~4歳 | 5~9歳 | 10~16歳 |
両親とも実親の虐待 | 0.2人 | 0.2人 | 0.3人 |
実親と義理親の虐待 | 15人 | 5.2人 | 5人 |
出典:カナダの児童養護協会からオンタリオ週ハミルトン市役所に報告された、1000人あたりの子どもの虐待数(1983年)
注目なのが「継子(連れ子)の年齢が小さいほど、継親からの虐待の確率が高まっている」ということです。
ステップファミリーでの虐待の起こりやすさは、子供が5歳以上だと26倍であるのに対し(これでも十分多いですが)、4歳以下になると75倍になっています。
【虐待を防ぐために】怒るときは実親から。ダメなら離婚
ステップファミリーで虐待を防ぐためには、とにかく実親が「自分の子供は自分で守る」と覚悟を決めて対処するしかありません。
そこで、1つ良い方法があります。それは夫婦間で

継子(連れ子)に怒るときは、必ず実親経由で怒ることにしよう
ということを決めておくことです。
もちろん、その場に継親と継子(連れ子)の2人しかいない、という状況をできるだけ作らないようにする配慮も大切です。
実際、ステップファミリーの芸能人である堀ちえみさんも「怒るときは実親から」を実践しています。
もし、それを継親が守れないのであれば、逆に離婚してステップファミリーを解消するほうが子供のためにも絶対に良いです。
ステップファミリーで離婚を防ぐ方法はある

以上、ステップファミリーの離婚率が高い要因・対策法をご紹介してきました。
ステップファミリーが離婚へと向かいやすい要因にきちんと対策ができれば、そのデメリットを最小化することができます。
逆に、ステップファミリーの情報・問題への対処法が日本でまだまだ認知されていないからこそ、子連れ再婚での離婚率が初婚の1.4倍にもなっている、とも言えます。
その対処法について今日知ったあなたは、「ステップファミリーは離婚率が高いから、結婚は自分には無理だな」と諦める必要はありません。
ぜひ、子連れ再婚について、前向きにを考える良いきっかけにしてみてください。
また、この記事を読んで、

離婚しないステップファミリーを築ける、素敵なパートナーと出会いたいな
と思えた方は、素敵なパートナーと出会えるオススメの場をこちらでご紹介しているので、よければぜひどうぞ。
≫【断言】子連れ再婚の出会いにマッチングアプリが良い3つの理由