子供の気持ちを考えると、本当に再婚していいのかわからない..
子供がいる彼女と結婚したいけど、子供の気持ちに寄り添っていけるのか不安..
「ステップファミリーへの選択を迫られたとき、どう子供の気持ちを考えていけばいいかわからない」という人は多いと思います。
そんな方へ、子供の気持ちにうまく寄り添っていくための大切な考え方・対処法を5つご紹介します。
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ステップファミリー初期の子供の気持ち
親が再婚してこれからステップファミリーになるとわかったとき、子供はポジティブな気持ちを持っていることもありますが、やはり大半はネガティブな気持ちが占めています。
具体的に、子供のネガティブな気持ち・ポジティブな気持ちとは何なのか、詳しく解説していきます。
ネガティブ面
親が離婚したことへの罪悪感・喪失感
子供は、両親が離婚したとき
自分が言うことを聞かなかったからだ…
お父さんとお母さんの仲が悪くなったのは、僕が悪い子だからだ…
と罪悪感を持ってしまうことがあります。
さらにそこへ、親が別の人と再婚・ステップファミリーになることを選んでしまう。それはすなわち、子供にとって「お父さん・お母さんが仲直りする機会が完全に失われた」ということを指します。
子供の気持ちは絶望感・喪失感で、心にポッカリと穴が空いてしまった状態に。
このように、ステップファミリーの初期段階では、子供の気持ちは大きなダメージを負った状態で始まります。そのため、夫婦や周囲のフォローは必要不可欠です。
子供の気持ちに生まれた喪失感は、回復まで相当の年月がかかります。数ヶ月、1〜2年で治るものではなく、長期的なケアが求められます。
「親をとられた」という継親への嫉妬
いくら親が好きになった人とはいえ、子供にとっては他人。自分の親と仲良くする姿を見て、「親をとられた」と怒り・嫉妬を感じることがあります。
両親が離婚しても、子供の気持ちの中ではどこかで
お父さんとお母さんが仲直りして、また一緒に暮らせたらな
という希望を持っていたりします。
しかし、ステップファミリーになるということは、その希望を打ち砕いてしまうことになります。そうすると、継子が継親に対して敵意を向ける、ということも起こりえます。
ステップファミリーでは、こういった子供の嫉妬の気持ちにも、うまく対処していく必要があります。
継親と仲良くする=離別した実親を裏切ることになる
ステップファミリーになるとき、子供の気持ちに多く見られるのが離別した実親への後ろめたさです。
離れて暮らす親と子供の関係が良好である場合、「継親と仲良くする」 →「 離れて暮らす親への裏切り」と感じる子供はとても多いです。
この子供の気持ちが障害となって「継親とは話そうとしない」というケースも、ステップファミリー初期段階ではよく見られることです。
知らない大人は怖い
子供の気持ちに家族以外の大人への恐怖心がない、なんてことはまずあり得えません。
知らない大人と会って会話することですら、子供にはストレスでしょうし、一つ屋根の下で暮らさないといけないとなると、子供の気持ちは恐怖・不安・憂鬱な気持ちでいっぱいになります。
女の子なら、知らない男の人との生活は恐怖そのものです。
不安・恐れでいっぱいの子供の気持ちに対し、夫婦がその気持ちをうまく汲みとってフォローしてあげることが必要になってきます。
実の親でもない人が親のように接してくることへのストレス
ステップファミリーでの子供の気持ちをヒアリングしたアンケートでは、
血の繋がりもないのに、継親から怒られることがストレスだった
という声がとても多く聞かれます。
血の繋がりがない大人と一緒に共同生活をすることでさえ、子供の気持ちにとってはストレス。
そんな中、これまでの生活環境も違う、実親以外の大人に「ああしろ」「こうしろ」と言われるのは、子供にはとても不愉快なことです。
親が知らない人と男女関係になったことへの嫌悪感
小学校高学年・中学生など、思春期の子供の気持ちによく見られる感情。特に、子供から見て異性の親に対して、嫌悪感を覚えることが多いです。
お母さんが女っぽい顔になっていて嫌だった
お父さんがお母さん以外の女と男女の関係になっていて、気持ち悪いと感じた
普段、子供は親の家族としての顔しか知りませんが、再婚などで親の男 or 女の表情を目の当たりにし、ショックを受けてしまうことがあります。
親が初めて見せる性的な部分に、多感な時期である子供はどうしても嫌悪感を抱いてしまいます。この嫌悪感はステップファミリーの崩壊によく繋がりやすいので、注意が必要です。
以上、ステップファミリー形成時の子供の気持ちに起こる、ネガティブな感情を見てきましたが、数多くありすぎて不安が募りますよね。
しかし、それと同時に子供の気持ちには、親が再婚して幸せそうであること・ステップファミリーになって新しい親・兄弟ができることへの期待・嬉しさも、少なからず持っている場合があります。
次はそんな、子供の気持ちに生まれるポジティブな感情を見ていきます。
ポジティブ面
幸せそうな親の顔は嬉しい
親の再婚を祝う気持ちも、子供は少なからずちゃんと持っています。「親に幸せでいてほしい」という気持ちは誰もが持っているものですし、それはまだ小さい子供であっても気持ちは同じです。
特に、母親の幸せというのは、子供の気持ちの安定においてとても大切。
子供は再婚してステップファミリーになり、生活が激変することになっても「お母さんが幸せであるなら」と受け入れたり、喜んでくれる気持ちも持ち合わせています。
母親がニコニコしていて機嫌が良いというのは、一般的な家庭であれ、ステップファミリーであれ、子供の気持ちが安定しやすくなります。
母親に限らず、親に対してポジティブなイメージを持てると、子供の気持ちだけではなく、成長にとっても大切な役割を果たします。
逆に、
- 親がいつも不機嫌で怒っている
- 夫婦でいがみ合い、ケンカばかりしている
- 母親がDVにあっているのを見た
など、親へのネガティブなイメージが先行してしまうと、社会的にもうまく適合できず、不登校・いじめ・犯罪など、問題行動を起こす確率が高まっていくと言われています。
親に対する肯定的なイメージを子供の気持ちの中に育むためにも、「ステップファミリーになって親が幸せになる」のは、とても重要なことなんです。
子供の気持ちに寄り添うために必要なこと
親に対する肯定的なイメージだけを育み、子供の気持ちにうまく寄り添って、離婚・再婚で負った心のダメージを取り除いていくにはどうすればいいか。
フォローしてくために大切な考え方・行動を解説していきます。
①焦らず、コミュニケーションを続けていくこと
最も大切なことは「焦らず、時間をかけてゆっくりと、子供とのコミュニケーションを継続させること」です。
ステップファミリーで血の繋がりのない関係を維持していくためには、忍耐力・長期的に子供と向き合っていく我慢強さも必要になります。
しかし、子供は子供で、ステップファミリーが始まった時点で心の傷を負っており、辛い思いをしています。しかも、親の都合で決められたことです。
新しい家庭環境で自分の居場所を見つけることができず、殻に閉じこもって、継親と話すことも最初は嫌がるかもしれません。
そんな子供の気持ちに対して「自分はもうこの子の親なんだから、積極的に仲良くならないと」と、強引にコミュニケーションを図ろうとしても、子供はさらに継親と話すことが嫌になってしまいます。
そうなると、継親のほうも
話しかけようとしているのに、懐いてくれない。もう疲れた…
と疲弊していってしまいます。
そうならずに、ステップファミリーで子供の気持ちにうまく寄り添うためには、以下の2点が重要になってきます。
- 「子供との関係は、最初の数年はうまくいかなくて当たり前」と認識する
- 夫婦間でよく話し合い、特に実親からの継親へのフォローを意識する
まず、ステップファミリーでの子育ては「子供の気持ちなんて汲み取れなくて当たり前」とある意味あきらめの気持ちを持ちつつ、それでも家族の一員として接していく、という感じでいいです。
え、そんなので子供の気持ちにちゃんと向き合っていけるの?
と思うかもですが、これくらい気負いがないほうが、かえって疲弊せずに長期的に子供に接することができます。
また、たとえそのようにできたとしても、やはりステップファミリーでの子育てでは最初の数年、特に継親は精神的にストレスを感じやすくなります。
そんなときに、実親からの継親への声かけ・サポートは必要不可欠。
子育てで悩んでいることはない?
など、実親から継親へ意識的に話しかけるようにしてみてください。ただ悩みを聞いてあげるだけでも、日頃の連れ子とのやり取りによるストレスを和らげることができます。
②継親は親にならなくてもいい
え、何言ってるの?
と思ったかもしれません。
しかし、これも子供の気持ちに寄り添うためには大切な考え方です。
ステップファミリーになっても、子供の気持ちの中では「離婚しても、本当の親は実の親だけ」と思っている場合は多いです。
さらに言えば、どれだけ年数が経過しても、子供にとって「親 」=「 実の親」という気持ちは変わらないことが大半です。
そんな子供の気持ちに対して「親として頑張ろう」と意気込んであれこれ指示したり、厳しく叱っても
本当の親じゃないくせに
と言うことを聞かなかったり、反抗的な態度を示します。
では、ステップファミリーで継親はどうすればいいかというと、「無理して親になろうとしない」ことが大切。
なんなら、親になろうとすらしなくてもいいです。
むしろ、
- 保護者
- 子供の良き理解者
- 子供が信頼をおける大人
のようなイメージで接していくのが一番いいです。
最初は子供にとって「知り合いの人」のような関係でも、接していくうちに、うまくいけば子供のほうから継親のことを「親だ」と認めれくれるようになります。
その一例が、タレントの山口もえさん・爆笑問題の田中さん夫婦。
2人は3年の交際を経てステップファミリーになりましたが、交際初期では山口さんの子供たちは田中さんを「たなちゅー」と呼び、友達のような間柄でした。
しかし、触れ合う時間が長くなるにつれて、次第に山口さんの子供たちは田中さんを「パパ」と呼ぶようになりました。子供の気持ちの中に、田中さんに対する信頼感以上の気持ちが生まれた瞬間です。
田中さんは最終的に子供から「親」と認識されるようになりましたが、最初から無理に親になろうとしていないことがわかります。
ステップファミリーでは、継親は親にならなくても、それなりに連れ子とコミュニケーションをとれる関係になれれば、子供は継親に対して信頼感を覚えてくれます。
子供の気持ちにうまく寄り添っていくための考え方として、この「無理に親になろうとしないこと」を継親の方にはぜひ知ってもらいたいです。
③離別した親をいないことにしないこと
ステップファミリーになったあと、離婚で別れた親と子供を会わせず、離れた親をいない人のように扱う親がいますが、子供の気持ちを考えるとNG。
特に、離れて暮らす親と子供の仲が悪くない限り、子供と離別した親の交流は絶たないようにしたほうが、子供の気持ちにとっては健全です。
ステップファミリーの情報・対処法がより知られている欧米では、離婚後も離れて暮らす親のところへ子供を自由に行き来させているケースがほとんど。
しかし、日本では離婚後「面会交流」という形でしか離別した親と子供が合う機会なく、頻度もたいてい月1回と欧米に比べると圧倒的に少ないです。
しかも、男女関係などで離婚した親は、多くの人が絶縁したがるので「面会交流が実施されない」ということもしばしば。子供の気持ちを無視した最悪のケースです。
さらに、ステップファミリーになって継親に連れ子の扶養義務が発生すると、離別した親からの養育費は法律で減額できたり、あるいは免除されることがあります。
そうなると、
もう養育費ももらってないし、会わせる必要はないでしょ
と面会交流を絶ってしまう親もいます。子供の気持ちに寄り添ったものとは言えないですよね。
なぜ離別した親との交流を続けるべきか?
なぜ、離別した親との交流を継続させるほうが良いかというと、子供の中にある「親に対するポジティブなイメージ」を保つことができるからです。
親に対するポジティブなイメージを持つ子供ほど、非行や問題行動をせず、周りともうまくやり取りできる社会性が発達していくと言われています。
もし、子供の気持ちの中に「離別した親に対するポジティブなイメージ」があるなら、面会の場を絶ってしまうことで著しく低下させてしまう恐れが..
ここで、離別した親との交流を絶つことなく、子供の気持ちの中に親への肯定的なイメージをうまく保ったステップファミリーの芸能人をご紹介したいと思います。俳優の哀川翔さんです。
哀川さんが今の奥さんと結婚した当時、奥さん側には前夫との子供たちがいました。
その子供に対して、哀川さんは
俺は急には親にはなれない。いつでも大事なことは、お父さん(離別した親)に相談すればいいんだぞ
と言いました。
そのことで、子供たちは離別した父親とも交流を続けることができました。子供が結婚した時、離別した父親は、哀川さんと一緒に結婚式にも参列しています。
「親に対する肯定的なイメージ」を保ち、ステップファミリー内で子供の気持ちにうまく寄り添った、素晴らしい事例です。
子供の気持ちの中にある「親への良いイメージ」を育てて自立した大人へ成長してもらうためにも、離れて暮らす親とどう関わっていくか、夫婦で一緒に考えてみることが大切。
「もうすでに面会交流を止めてしまった」という人も、これをきっかけに面会交流を再開できないか、もう一度話し合ってみてください。
④子供を叱るときは実親経由、継親は褒め役
ステップファミリーにおける子供の気持ちを調査したアンケートでは、「実親でもない人から怒られるのが嫌だった」 という声が大半を占めます。
子供時代にステップファミリーで過ごした人も「継親に怒られたときに、本当の親じゃないくせに!って言ってしまったことがある」という人も数多くいます。
それだけ子供の気持ちには、実親以外の大人から親ヅラされることはストレスなんです。
子供が目の前で悪さをしたり、誰かに迷惑をかけた場合、特に実の子供でなかったら余計に腹が立って怒りたくなるかもしれません。
しかし、やはり子供の気持ちに「本当の親」=「実親」というイメージがある以上、悲しいかな、怒っても子供の気持ちに響くことはありません。
むしろ、ただ子供の気持ちに
継親、嫌い..
というイメージが色濃く残ってしまうだけに..
そうならないためにも、ステップファミリーで子供を叱るときは、その場はグッとこらえて、必ず実親経由で叱ってもらうようにしましょう。
これは、ステップファミリーの芸能人として有名な堀ちえみさんも実践している方法です。
堀ちえみさんは、ご自身と旦那さん両親が子供を連れてのステップファミリーでしたが、子供を厳しく指導する際は、必ず実親経由で叱ることにしているそうです。
実際、ステップファミリーの専門家からも「継親は褒め役に徹したほうが良い」ということが数多くアドバイスされています。
子育てではよく「アメとムチと使い分けが大切」と言われますが、ステップファミリーではそれを
継親:アメ(優しい)
実親:ムチ(厳しい)
と完全に役割を分けることをオススメします。
継親は子供をよく褒めたり、子供が実親に怒られたときにサポートに回ると良いです。
そうすれば、お互い最初はマイナスから始まった関係でも、子供も継親がそばで支えてくれたことに感謝できるので、やがて子供の気持ちの中に継親に対する信頼感を生まれるようになります。
「連れ子を可愛いと思えないのにサポートなんて無理!」と思う継親もいるかもしれませんが、そんな場合でも、継親は怒らないことがステップファミリーの崩壊を防ぐには有効です。
≫ 参考:ステップファミリーの離婚率はなぜ高い?【逆にしたほうがいい場合もあります】
⑤思春期の子供の前でイチャイチャしない
思春期の子供がいる再婚でステップファミリーの関係をうまく保つのは特に難しい、と言われています。
やはり、思春期の子供の気持ちは複雑で、親の再婚・継親に対して不満を持つケースが多くなるようです。
実の親でさえ反抗的になる年頃なのに、実の親でない継親が一緒に住んでいるとなると、より一層ストレスを溜め込みやすくなります。
ただ、思春期の子供は部活などで出かけて家の外にいる機会も多くなるので、一緒に過ごさないといけない時間はそう多くありません。
過度に干渉しすぎることさえなければ、ステップファミリーを崩壊させずに続けることは可能です。
思春期の子供の気持ちを逆なでしないために気をつけるべきは「親が子供の前で男女としての一面を見せない」ということ。要は、子供の前でイチャイチャするなということです。
子供にとって「親が実の親以外と男女の関係になった」と意識するのは嫌なもの。「実の親が他人に奪われた」という気持ちになり、実親が異性だった場合、より強く嫉妬の気持ちを感じてしまいます。
イチャイチャするのは二人だけのときにして、思春期の子供の前では男女としての一面ではなく、親としての一面だけを見せるようにしましょう。
無理せず子供の気持ちに寄り添うことが大切
ステップファミリーで子供の気持ちに寄り添うために大切な考え方・行動は、以下のとおり。
- 焦らない
- ゆっくりコミュニケーションを継続していく
- 急いで親になろうとしない(ならなくてもいい)
拍子抜けなアドバイスに感じますよね。
しかし、お伝えしたいのは「肩肘張らずに、子供とはゆっくり関係を作っていけばいい」くらいの気負いのなさでいるほうが、かえってステップファミリーを崩壊させずにすむということです。
これを機会にもう一度、子供との関わり方についてパートナーと話し合うようにしてみてください。
また、ステップファミリーのより網羅的な情報として
- ステップファミリーの支援団体
- ステップファミリーの芸能人の例
- セメントベビーを作るときの対策 など
を以下でまとめているので、こちらもよければどうぞ。
≫ ステップファミリーを知るための完全マップ【すべてわかる】