
離婚したことを、子供にいつどう伝えれば..
という(プレ)シングルマザー・シングルファザー方へ、年齢別の伝え方・タイミングを解説します。
適切な離婚の事実の伝え方は、子供の年齢・性格によっても異なりますし、タイミングを間違えると子供に大きな負担をかけてしまう可能性もあります。
実際、私たちReRe(リリー)のInstagramでひとり親の方へ行ったアンケートでも、約3割の方が「子供への離婚の伝え方に後悔がある」と回答されました(111人回答)


本記事では、子供に負担をかけない伝え方を、具体的な例文付きでご紹介します。
何より大切なのは、子供に「あなたは愛されている」という事実を伝え続けることです。
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離婚を子供に伝える前に準備すべきこと
夫婦での話し合いを済ませる
子供に伝える前に、できる限り夫婦間で以下の点について、話し合いを済ませておきましょう。
- 離婚の理由をどこまで説明するか
- 今後の生活環境について
- 面会交流の頻度・方法
- 子供からの質問への対応方法
これらを決めておくことで一貫性のある説明ができ、子供が混乱せずに済みます。
サポート体制を整える
離婚の話をした後、子供が動揺したり不安になったりした場合のサポート体制を整えておきましょう。
予想される心理的な影響への対策と、長期的な安定につながります。
例えば、信頼できる家族・友人へ相談したり、必要に応じて児童心理士・カウンセラーの連絡先を調べておくことも有効です。
離婚を伝えるタイミング
離婚を子供に伝えるタイミングは、以下の点を考慮して決めましょう。
適切なタイミング
- 離婚が正式に決定してから
- 子供が精神的に安定しているとき
- 十分に時間を取れるとき(週末・長期休暇など)
- 大きな環境の変化(引っ越し・転校)の1~2週間前
避けるべきタイミング
- 夫婦喧嘩の直後
- 子供が体調不良のとき
- 学校行事・試験の直前
- 年末年始・お誕生日などの特別な日
年齢別の伝え方
3歳未満の子供への対応
3歳未満の子供だと、言葉での理解は限定的ですが、環境の変化・大人の感情を敏感に感じ取ります。
言語的な説明というより、安心できる環境作りが大切です。
3歳未満への対応のポイント
- 言葉での説明は最低限に留める
- いつも以上にスキンシップを大切にする
- 生活リズムをできる限り維持する
具体的な声かけとしては、



パパは別のお家にいるけど、○○ちゃんのことが大好きだよ。
といった程度の簡単な言葉で十分。
それ以上に、抱きしめる・一緒に遊ぶなど、愛情を行動で示すことが重要です。
3歳の子供への伝え方
3歳の子供は、まだ「離婚」という概念を完全に理解することは難しい年ごろです。
ただ、生活環境の変化は敏感に感じ取るため、年齢に適した説明が必要になります。
3歳児への伝え方のポイント
- 難しい言葉は使わず、簡単な表現で説明する
- 具体的な生活の変化を分かりやすく説明する
- 不安になったときのためのルーティンを作る
- ぎゅーっと10秒間抱きしめる
- 不安になったら一緒に好きな絵本を1冊読む
- 「夜寝る前は必ず一緒にいるからね」と伝える など
例文:3歳児
○○ちゃん、大切なお話があるよ。
パパとママは、これからお家を別々にすることにしたの。
でも、○○ちゃんのことはパパもママもずっとずっと大好きだからね。
今度からは、ママと一緒にお家にいて、パパには時々会いに行こうね。
4歳の子供への伝え方
4歳になると知っている言葉も増え、感情表現も豊かになります。
ただ、まだ因果関係や、離婚という概念を理解するのは難しい年齢です。
4歳児への伝え方のポイント
- 子供のせいではないことを繰り返し伝える
- 両親からの愛情は変わらないことを強調する
- 質問には正直に答える
- 安心できる言葉をたくさんかける
例文:4歳児
○○くん、パパとママからお話があるよ。
パパとママは、これから違うお家に住むことになったんだ。
でもね、これは○○くんが悪いからじゃないよ。パパとママの問題なの。
○○くんは何も悪くないからね。
パパもママも○○くんのことがとても大好きで、それは絶対に変わらないから安心してね。
5歳の子供への伝え方
5歳になると、より複雑な状況を理解できるようになります。
ただ、まだ抽象的な概念は難しいため、具体的な説明が大切です。
5歳児への伝え方のポイント
- 「離婚」という言葉を使っても良い年齢
- 今後の生活について具体的に説明する
- 子供の気持ちを聞き、受け止める
- 変わらないもの(愛情)と変わるもの(生活環境)を区別して話す
例文:5歳児
○○ちゃん、とても大切なお話があります。
パパとママは離婚することになりました。
離婚というのは、結婚していた大人同士が、もう一緒に住まないことを決めることです。
でも、○○ちゃんにとってパパはずっとパパで、ママはずっとママです。
パパもママも○○ちゃんのことを心から愛していて、それは絶対に変わらないからね。
6歳の子供への伝え方
6歳になると小学校での生活も始まり、社会的な理解も深まります。
より詳しい説明が可能になる一方、友達との関係などを気にする年齢でもあります。
6歳児への伝え方のポイント
- 学校での友達関係への影響を考慮して説明する
- 離婚の理由について適切な範囲で説明する
- 子供の意見も聞きながら進める
- 将来への不安を和らげる具体的な計画を示す
例文:6歳児
○○ちゃん、パパとママから大切なお話があります。
パパとママは離婚することになりました。
大人同士の考え方の違いで、一緒に住むことが難しくなったからです。
でも、○○ちゃんは何も心配しなくて大丈夫。
学校も今までどおり行けるし、お友達とも変わらず遊べます。
パパもママも○○ちゃんのことを愛している気持ちは変わらないから、いつでも相談してね。
7歳以上の子供への伝え方
小学校に入学すると、子供の理解力・社会性は大きく発達します。
そのため、7歳以上の子供には、より誠実で詳細な説明が必要になります。
7歳以上への伝え方のポイント
- 離婚の事実・理由を年齢に応じて説明する
- 子供の意見・気持ちを十分に聞く
- 学校生活への影響について具体的に話し合う
- 将来への計画を一緒に考える
- 友達・先生にどう説明するかも相談する
例文:小学校低学年(7~9歳)
○○くん、パパとママから大切な話があります。
パパとママは離婚することになりました。
離婚というのは、結婚していた大人が、もう夫婦ではなくなるということです。
理由は、大人同士の価値観の違いです。
でも、○○くんにとってパパはずっとパパで、ママはずっとママです。
学校のこと・友達のことで心配なことがあったら、いつでも話してね。
例文:小学校高学年(10~12歳)
○○ちゃん、とても大切な話があります。
パパとママは離婚することを決めました。
大人同士として一緒に生活することが難しくなったからです。
○○ちゃんも色々な気持ちがあると思います。
怒ったり、悲しんだり、心配したり、全部当然の気持ちです。
何でも話してください。
学校のこと・友達のことも含めて、○○ちゃんと一緒に考えていきたいと思ってます。
中学生以上への伝え方
中学生以上になると、より大人に近い理解力を持ちます。
事実をしっかりと伝え、家族の一員として、今後のことを一緒に考える姿勢を見せるように大切にしましょう。
中学生以上への伝え方のポイント
- 大人として扱い、事実をしっかり伝える
- 感情的にならず、冷静に説明する
- 子供の意見を尊重し、話し合いを重視する
- 進路・将来への影響について率直に話し合う
- 必要に応じて子供が選択できることも説明する
例文:中学生以上
話があります。
パパとママは離婚することになりました。
長い間考えた結果です。
理由は〇〇です(年齢に応じて適切に説明する。ただ、不倫などの大人の事情は、子供が知らない場合は心理的影響を考慮すると伝えないほうがいいです)
あなたにも影響があることは分かっています。
学校のこと・進路のこと、心配なことがたくさんあると思います。
あなたの気持ち・意見も聞かせてください。
一緒に考えていきたいと思ってます。
離婚の理由を聞かれたときの対応
子供がどの年齢でも、「どうして離婚するの?」と聞かれることは避けられません。
子供の純粋な疑問に対しては、年齢に応じて適切に答える必要があります。
伝えるべき回答の例がこちら。
- 「パパとママは大人の考え方が違いすぎたから」
- 「一緒にいると喧嘩ばかりしてしまうから」
- 「お互いを大切にする気持ちが変わってしまったから」
逆に避けるべき、子供に言ってはいけない回答がこちら。
- 相手の悪口・批判
- 経済的な問題の詳細
- 不倫などの大人の事情
- 子供に判断を求めること
「パパ(ママ)が悪い人だから」「○○ちゃんがいるから離婚できなかった」といった誰かを批判する発言は、子供の心に深い傷を残してしまうので禁句です。
離婚を伝えるときの具体的な流れ
①落ち着いた環境を作る
テレビなどの映像・音声コンテンツが流れるものを消し、できるだけ静かな環境で話すようにしましょう。
自宅のリビングなど、子供が安心できる場所が良いです。
そして、できれば両親が揃って話すことが理想的です。
②愛情を伝えることから始める
まず「○○ちゃんのことが大好きだよ」という言葉から始めましょう。
子供の不安を和らげたり、落ち着いて話を聞いてもらう態勢を作りやすくなります。
③事実を伝える
先ほどご紹介した例文のように、年齢に適した言葉で離婚の事実を伝えます。
④子供のせいではないことを強調する
「あなたは何も悪くない」「大人の問題だから」ということを繰り返し伝えます。
なぜなら、子供は離婚を「自分のせいだ」と考えがちで、この自責の念が深刻な心理的影響を与えるため、正しい認識を定着させる必要があるからです。
一度の説明では子供の思い込みはなかなか変わらないため、安心できるまで繰り返し伝えるようにしてみてください。
⑤今後の生活について説明する
以下のような、今後の生活がどうなるかについても具体的に説明できると、子供の不安を和らげることができます。
- どこに住むのか
- 学校は変わるのか
- もう一方の親にはいつ会えるのか
⑥質問を受け付ける
子供からの質問には、正直に年齢に適した範囲で答えましょう。
よくある質問と回答例をご紹介します。
- 「どうしてパパとママは離婚するの?」
-
3~5歳:「パパとママは一緒にいると喧嘩ばかりしてしまうから、別々に住むことにしたの」
6歳以上:「パパとママは大人同士として考え方が違いすぎて、一緒に生活するのが難しくなったからなんだ」
- 「パパ(ママ)にはもう会えないの?」
-
「会えるよ。○曜日にパパのお家に遊びに行こうね(具体的な予定を伝える)。パパ(ママ)も○○ちゃんに会いたがっているから、定期的に会えるように約束しているよ」
- 「僕(私)も悪かったから?」
-
「絶対に違うよ。これは大人だけの問題で、○○ちゃんは全然悪くないの。○○ちゃんがいなかったら、パパもママもとても寂しかったよ。○○ちゃんがいてくれて嬉しいの」
- 「お友達になんて言えばいいの?」
-
「『パパとママは違う家に住むことになったんだ』って言うといいよ。けど、言いたくなかったら言わなくてもいいし、困ったらママ(パパ)に相談してね」
質問に答える際のポイントとしては、以下となります。
- 子供が理解できる具体的な言葉で説明する
- 嘘をつかず、事実を年齢に応じて伝える
- すぐに答えられない場合は「今度話すね」と時間を置く
- 相手の悪口は絶対に言わない
- 「分からない」ことは素直に認める
⑦愛情を再び伝える
最後に再び「両親からの愛情は変わらないこと」を伝えましょう。
子供の反応と対処法
離婚の事実を伝えたあとの、よくある子供の反応を年齢別にご紹介します。
これらを事前に知っておくことで、親は冷静に対応でき、適切なサポートをしやすくなります。
また、これらの子供の反応は、正常な心理的プロセスであることも理解しておきましょう。
よくある反応
3歳未満の子供の反応
- ママ(パパ)から離れたがらない
- 食事・睡眠のリズムが乱れる
- 赤ちゃん返りをする
- 機嫌が悪くなりやすい
3~4歳の子供の反応
- 泣き出す
- 「いやだ」と拒否する
- 甘えが強くなる
- 夜中に泣いたり怖がったりする
5~6歳の子供の反応
- 質問攻めにする
- 怒りを表現する
- 無反応・無関心を装う
- 自分を責める
7歳以上の子供の反応
- より具体的で詳細な質問をする
- 親への怒り・失望を表現する
- 友達に知られることを心配する
- 将来への不安を訴える
- 親を責める発言をする
- 逆に大人びた態度を取る
年齢別の対処法
すべての年齢に共通する対処法
- 子供の感情を受け止める
- 否定せず、共感を示す
- 十分な時間をかけて説明する
- 専門家への相談も検討する
3歳未満への対処法
- 言葉よりも行動で愛情を示す
- 手をつないで歩く時間を増やす
- 寝る前に背中をさすってあげる
- 子供が興味を示すものに一緒に取り組む など
- 生活リズムの維持に努める
- 過度な環境変化は避ける
3~6歳への対処法
- 簡潔で分かりやすい説明を繰り返す
- 絵本や遊びを通じて理解を促す
- 家族愛を描いた絵本を読んで「○○ちゃんも愛されているよ」と伝える
- 家族の絵を描いて「みんな○○ちゃんのことが大好きなんだね」と話す
- 面会日にシールを貼って「パパと会える日」を楽しみにする など
- 安心できるルーティンを作る
- 朝起きたら「おはよう」のハグをする
- 寝る前に必ず絵本を読む
- 毎週日曜日は一緒に公園に行く など
7歳以上への対処法
- より詳細な話し合いの場を設ける
- 子供の意見も聞き、尊重する
- 学校や友達関係への配慮を示す
- 「今日学校で何か困ったことはなかった?」と定期的に聞く
- 学用品の準備を一緒に確認する
- 「お友達に離婚のことを話したくなかったら、話さなくてもいいよ」と選択肢を与える など
感情的になったときの対処法
子供が感情的な態度をとった場合、



悲しい気持ちになるのは当然だよ



怒ってもいいよ
というふうに、子供の感情を否定せずに受け止めることが大切です。
離婚後の子供へのフォロー
継続的なコミュニケーションが大切
離婚を伝えたら終わりではありません。
継続的に子供の様子を観察し、必要に応じてフォローアップの会話を行いましょう。
定期的に確認したほうがいいことが、こちら。
- 学校での様子に変化はないか
- 友達関係に影響はないか
- 体調面で変化はないか
- 感情面で不安定になっていないか
面会交流も健全な成長に欠かせない
子供にとって離婚後も両親との関係を維持することは、心身の健全な発達にとって、とても大切です。
以下でご紹介するポイントを抑えて、できるだけ定期的な面会交流の機会を保つようにしてみてください。
子供の気持ちを優先する
- 「パパに会いたい?疲れてる?」と毎回確認する
- 「会いたくない」と言ったときは無理強いしない
- 面会中に帰りたがったら予定を切り上げる
定期的で予測可能なスケジュールを作る
- 「毎月第1・第3土曜日の10時~17時」のように固定する
- カレンダーに面会日をシールで印をつける
- スケジュール変更は最低1週間前に伝える
元配偶者の悪口は言わない
- 避けるべき発言
- 「パパは約束を守らない人」
- 「ママはお金のことばかり考えている」
- 言い換え例
- 子供が「パパが遅刻した」→「そうなんだ。けど会えて良かったね」
- 子供が「ママが怒ってた」→「そっか。何か心配事があったのかもね」
子供が安心できる環境を整える
- 慣れ親しんだ公園や施設で面会する
- 「嫌なことがあったらすぐ教えてね」と事前に約束する
- 面会後は「楽しかった?困ったことない?」と確認する
- いつでも親(自分)に連絡できることを伝えておく
これらの配慮により、子供は面会交流を「怖いもの」ではなく「安心できる時間」として捉えられます。
愛情を伝え続けることが一番大切
離婚を子供に伝えることは、親にとって最も辛い経験の一つかもしれません。
ただ、適切なタイミング・年齢に応じた方法で伝えることで、子供へのネガティブな影響を最小限に抑えることができます。
改めて、重要なポイントがこちら。
- 子供の年齢・理解力に応じた説明をする
- 子供のせいではないことを繰り返し伝える
- 両親からの愛情は変わらないことを強調する
- 継続的なサポートとフォローを行う
- 必要に応じて専門家の助けを求める
もっとも大切なのは、両親からの愛情は変わらないことを強調して伝え続けること。
一人で悩むことがあったら、周囲のサポートも活用しながら、子供にとって最善の方法を見つけていきましょう。
子供は思っている以上に強く、適切なサポートがあれば、困難な状況も乗り越えていけます。
親の愛情と適切な説明があれば、子供は新しい生活にも適応していくことができるので、安心してください。