ひとり親の状況ごとに細かく分けられたコミュニティで、同じ境遇の仲間が見つかる!エスクル今井さんが心から伝えたいメッセージとは

自分の境遇を理解してくれる友だちがほしい..

ひとり親の中でも、死別の方とつながりたい..

という方へ、このインタビュー記事をお届けします。

インタビューさせていただいたのは、全国で3万人以上が参加するひとり親交流支援サークル「エスクル」を運営する一般社団法人ひとり親支援協会代表の今井さん。

ひとり親の状況に細かく合わせて作られたLINEグループでは、これまで数多くのひとり親が、自分と同じ境遇の仲間を見つけることができています。

また、全国各地でBBQ・公園遊び・調理イベント・水遊びなどの交流会を開催し、オフラインでの親子の友だちづくりも支援されています。

「マイノリティにいる人を孤立から救いたい」という今井さんに

  • 交流支援サークルの詳細
  • 交流イベントの詳細
  • ひとり親支援への想い

についてお伺いしました。

目次

離婚・死別・未婚・DV・障害(児)、モラハラ・自死遺族など、ひとり親それぞれの状況に合わせた交流を支援

− ReRe

エスクルさんについてや、今井さんの自己紹介をお願いします。

− 今井さん

1987年生まれで、サラリーマンをしながらひとり親の支援活動をしています。

月〜金曜までは仕事をして、平日の夜・土日にオンラインの交流会などを開催しています。
昨日も死別のひとり親の交流会がありましたが、それ以外にも未婚・DVを受けていた方・モラハラを受けていた方の交流会などがあります。

あと、コロナで増えているのが、配偶者の方が自殺をされてしまった自死遺族のひとり親です。
死別とも違いますし、離婚のグループだと「相手と別れて清々した」という会話がされることもあるので、傷ついてしまわないよう、ここは混ぜてはいけないと思っています

世の中には、マジョリティ(多数派)とマイノリティ(少数派)がいると思っています。
世間一般ではひとり親はマイノリティで、二人親家庭のママ友と喋っていても、居づらさ・生きづらさを感じたりします。

そして、マジョリティ・マイノリティはひとり親の中にもあります。
ひとり親の中でのマジョリティは離婚された方で、死別・未婚の方などはマイノリティです。

死別・未婚の方がマジョリティに入ってしまうと生きづらさを感じてしまうため、死別の方に特化した場所「エミナル」、未婚の方に特化した場所「ミコママ」があります。

死別の方でいうと、「配偶者を亡くす」というのは、人間が感じるストレスの中で最も負荷が大きいんですよね。
死別を経験した者同士じゃないと、わからないこともあります。

またそれは、障害児を持つひとり親でも同じです。
精神疾患・発達障害などの子供が生まれたときに、片方の親がそれを認められなかったり、意見が合わずに離婚につながり、ひとり親として生活されている方も実は多くいます。

ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如・多動性障害)といった発達障害や、身体障害の子供を持つひとり親のコミュニティもあります。

そのほか、DVを受けた方のコミュニティ、モラハラを受けた方のコミュニティもあります。
DVとモラハラって、実はちょっと違うんで、そこも分けてコミュニティを作っています。

あとは、職業別・恋愛中の方・婚活中の方・ステップファミリーの方、これもまた違うんですよね。
「恋愛はこりごりだ..」という人もいれば、「積極的に婚活したい!」という人もいて、それぞれに個別の悩みがあるので、交流会も別にしています。

さらにいうと、死別のひとり親で恋愛をしている人もいるんですよ。
死別の場合「次また配偶者をもつことは考えられない」という人が多いんですけど、中には「人生の伴侶がほしい」という人もいるので、死別の恋愛について考える会も開催したりしています。

ほかには、ワンオペ育児のひとり親の会とか、実家住みのひとり親の会もあります。
実家住みだからこその大変さもあるんですよ。親にいろいろ言われながら、子育てしないといけない悩みとか。

一方で、ワンオペレーションのひとり親も都会中心に多くいます。
実家が近くになく、独りでやっていかないといけない状況だと、実家住みの方と話していても会話が噛み合わないこともあるので、ワンオペのひとり親の会を用意しています。

職業別でいうと、バリバリに仕事をしている人もいれば、医療関係で働く人、公務員・教師のひとり親もいるので、それぞれ個別のコミュニティを作っています。

というように、ひとり親と言ってもひとくくりにはできません。
ひとり親支援は、そういった部分を考慮して対応する必要があると思っています。

エスクルが行っている支援も、一丁目一番地は「孤立から守るためのひとり親交流サークル」であり、共助の場としていろんな背景をもつ方が助け合い、悩みを共有できる場所を作っています。

− ReRe

コミュニティがとても細かく分けられていて、ひとり親それぞれの状況・ニーズをきちんと汲み取られているところが素晴らしいと感じました。

参加された方にとっては、自分の気持ち・境遇を本当の意味で理解してもらえるので、有意義な居場所になっているんだろうなと思います。

≫ エスクルさんのひとり親交流サークルはこちら
   

コミュニティに参加するだけで、お得情報・支援情報を自動的に得られる

− ReRe

それぞれのコミュニティ(ひとり親LINEグループ)について「こんな会話がされているよ」といった情報はありますか?

− 今井さん

テーマ・状況ごとにグループ分けがされているので、本当に千差万別ですね。

60ぐらいグループがあって、私は全て参加させていただいているんですけど、全然違います。

死別のグループは死別に関する話をされていますし、地域ごとのグループもあるんですけど、ザ・ローカルな「ここ良かったよ」みたいな感想を共有されたりしています。
ワンオペのグループだと、普段大人が1人しかいない状態なので、コミュニケーションをとりたい人が多く、久しぶりに開いてみたら100件ぐらいメッセージが飛び交っていました笑

ひとり親って基本的には忙しいので、多くの方が情報共有を目的に使われています。
お得な情報とか、ほかの団体さんと連携して行っている食料支援などについて「もうすぐ締切だから申し込みたい人は申し込んでね!」といった助け合いの情報が共有されています。

エスクルさんで発信されている支援情報、こちらはHPで誰でも見られる

皆さん忙しいので、そういった支援情報を一つ一つ調べる時間がないんですよね。
それがコミュニティに入っているだけで、シャワーを浴びるように受け身で手に入るところに魅力を感じてもらっています。

− ReRe

お得情報・支援情報を受け身で自動的に得られるのは、メリットがありますね。
支援に関して、専門家の方からアドバイスを受けれたりはするのでしょうか?

− 今井さん

専門家などに相談したい場合は、専用フォームがあるので、必要に応じて申請いただくと対応させていただいております。
専門家もひとり親であるケースが多いので、忙しい中で時間を割いてもらって、可能な範囲で対応してもらっています。

支援情報でいうと、データベースを作っていて、アクセスするだけで必要な情報を得られるようにしています。
ひとり親LINEグループの方に見ていただいているんですけど、ものすごく満足度が高いんですよ。

データベースはほぼ毎日更新しており、月に1~2度程度、更新情報をまとめてお送りしているのです。
応募〆切や内容を端的にお伝えしており、その情報量に「仕事・家事・育児をひとりでこなして時間がないが、ここを見るだけでよく助かっている」、「郵送など全国対応で、地方や離島にすむ人も利用でき、本当にありがたい」などのお声を毎回いただいています。

「情報共有データベース」の一部内容、随時アクセスでき、クリックするだけで窓口などにつなぐ。
こちらはひとり親LINEグループのメンバー限定で対応。

− ReRe

それは安心できますね。

専門家のほか、同じ境遇のグループ内で先輩ママ・パパから「こんなふうに乗り越えたよ」といったアドバイスも頂けそうですよね。

− 今井さん

仰るとおりですね。
死別のグループだと、死別されたばかりで悲しみのどん底にいる方もいますし、これから死別される方もいます。

旦那さんが余命いくばくもない状態で我々のコミュニティを見つけ、奥さんへ「ここに入って同じような方々とつながれ」と伝えられ、我々にも「頼む」と言われたケースもありました。
ものすごく責任感を感じますし、「何とかしてあげないといけない」という気持ちになりました。

ほかには、未婚の母になる決断をされた方ですね。
いろいろ悩み、養育費ももらえていない中で「子どもを産む」と決断された方に対し、我々ができることをして支えるようにしています。

ひとりじゃない、仲間がいるよ」と。

− ReRe

様々な方の心の拠り所となっていて、本当に素晴らしい活動だと思います。

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ひとり親・子どもの誕生日祝いに、マドレーヌ・キャビアなどを郵送!交流イベントも多数!

− ReRe

コミュニティ支援以外には、どのようなことをされているのでしょうか?

− 今井さん

ひとり親家庭の生活向上に向けた活動ですね。

今は1万人以上のひとり親、お子さんも含めると3万人を超えるメンバーが所属しているのですが、規模の大きさを活かしたアンケート調査による政策要望などをしています。
低所得の子育て世帯への給付金、養育費の不払い問題、児童扶養手当の問題について、子育てがしやすくなるように国や自治体へ働きかけています。

大阪府堺市との連携協定、調印式の写真 右側:堺市長:永藤 英機氏

また、キャリアカウンセラーさんへの就労相談や、メンタル不調を抱えている方への無料カウンセリングの場なども提供しています。
ほかの団体さんと連携し、食料の提供・学習支援を行うこともあります。

誕生日には、マドレーヌ・キャビアなどをお渡ししています。
これはお子さんだけでなく、ひとり親の誕生日もお祝いしています。

ひとり親って配偶者がいないんで、ほかに祝ってもらえる人がいないんですよね。
家族内で誕生日を祝っても、こじんまりとした感じになることもあるので、ささやかながらお祝いをさせてもらっています。

こういった食料・物品の提供は、コロナ対策のため、郵送でさせてもらっています。

ひとり親の場合、コロナにかかってしまうと子育て・仕事が完全に滞ってしまうので、交流会もオンラインでするなど、コロナに関しては特にケア・配慮をしています。
ただ、今はコロナも落ち着きつつあるので、少しづつリアルの活動も再開しています。

そのほか、お泊り会・里山体験・BBQなど、様々なイベント活動を行っています。

− ReRe

ひとり親の中には、忙しさ・金銭的な面から「ハレの日を祝えない」という悩みを持たれている方も多いので、誕生日のお祝い・BBQなどのイベント活動はとても有意義ですね。

リアルの活動は、グループごとに集まれるのでしょうか?
もしくは、全体的にみんなで集まる感じでしょうか?

− 今井さん

両方ありますね。
グループごとでいうと、地域別のオフ会などがあります。

全体的な集まりだと、二つありまして、一つはエスクル本部が中心となって無料提供しているBBQや、地域の子ども食堂さんと連携したイベントなどです。

もう一つは、各地にひとり親の方に運営いただいている支部があり、そこで開催されているイベントですね。
「海水浴をしようの会」「小さなBBQの会」「公園遊びの会」「わんこそばの会」「工作でスライムを作ろうの会」といった、バラエティ豊かなイベントが開催されています。

現在、コロナ禍の中で感染対策に留意し、小規模ながら、ひとり親当事者が主体的に自分や自身の子どもが求めるイベントを企画して対応しています。

− ReRe

リアルでもたくさんの交流機会があるんですね。
親だけでなく、子供にとっても友だちが作れたり、イベントによって貴重な体験ができるので良いですね。

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メンタル不調で休職したことが「マイノリティの人を孤立から救いたい」と思うきっかけに

− ReRe

今井さんがひとり親支援をしようと思ったきっかけは、何だったのでしょうか?

− 今井さん

私自身はひとり親の当事者ではないんですけど、私のおばあちゃんが死別のシングルマザーでした。

今なら遺族年金がありますけど、その当時は「夫が兵隊さんとして戦死した場合」にしか出ず「病死」の場合は出ませんでした。今の児童扶養手当も、その時代にはなかったんです。
経済的に本当に大変な中、うちのおばあちゃんも働きに出て、子供2人を育て上げました。

私は子供のころからおばあちゃんと同居してずっと一緒にいたので、よく苦労話を聞いていました。
「ひとり親って、ものすごく大変だんだな」というイメージを幼いころから身近に感じていたので、それが原体験となっています。

また、「社会で生きづらさを抱えているマイノリティの人を孤立から救う」という部分での原体験・想いもあります。

私はメンタル不調でサラリーマンを1年半休職したことがあるんですけど、うつ病にかかった当事者・マイノリティでないとわからないことがありました。
当事者団体に救われ、復帰して働き始めたときに、周りのシングルマザー・シングルファザーの話を聞いて「あのときの自分と一緒だな」と思ったんです。

周りに同じ状況の人がいないから相談できなかったり、友だちに相談しても、状況が違うので腫れ物に触るような感じで、すごく気を遣われてしまうんです。
シングルマザーの場合だと「二人親家庭のママ友に話をしても、大変だね、と心配してもらえるのは有り難いけど、ちょっと違うな..」と感じてしまいます。

「ママ友には気を使って話せない、当事者にしかわからないことを、ひとり親の方同士で相談し合える場所を作ろう」と思い始めました。

最初は20人くらいで大阪でこじんまりしようと思って、2018年に立ち上げました。
ただ、ひとり親の方それぞれに傾聴して必要なものを作っていったら、全国各地から「うちでもやってくれ」「こっちでもやってくれ」と言われ、どんどんこんなに大きくなっていました笑

ひとり親予定者の方も受け入れているので、離婚が初めてで不安な方も、数多く門戸をたたいて来られています。

− ReRe

ご自身の経験がきっかけとなっているんですね。
「最初はこじんまりと」というお話がありましたが、今井さんの傾聴力・共感能力の高さが、今のエスクルさんの規模につながっているんだろうなと感じます。

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「子どもの笑顔のツボは親の心の余裕」

− ReRe

多岐にわたる活動の中で、「特にこれについて知ってほしい」ということはありますでしょうか?

− 今井さん

そうですね、我々の本質はサークルとして「孤立をなくす」「仲間・友だちを作る」という部分にあります。
そのためには「支援を受けたい方」と同時に、「同じひとり親を支援したい方」の存在も重要になってきます。

支援を受ける中で少しずつ余裕が出てきたら、5年後でも10年後でも子供が成人したあとでも構わないので、ぜひ一緒に同じひとり親を支援する側になってくれたらなと思います。
それはもちろん、ひとり親の当事者以外の方でも良くて、学生さんでも、若い人でも、老後を過ごされている方でも良いと思っています。

ひとり親の方だと「子供が巣立ったあと、老後をどうしよう..」という悩みは尽きないと思います。
もちろん、婚活も一つの解決手段ではありますが、一緒にひとり親を支援することでも仲間ができて、孤立からの脱却にもつながると思います。

なので、まずは気軽に参加してもらえたらと思います。

− ReRe

最初は支援される側だったけど、生活が落ち着いて自立にも成功し、「今度は恩返しとして、自分と同じ境遇をたどっている人を支援したい」という方は多いと聞きます。
そういった良い循環がこれからもどんどん生まれていくと、ひとり親の方が暮らしやすい社会につながるんだろうなと思います。

「支援者側に回りたい」という場合、エスクルさんに直接問い合わせていいのでしょうか?

− 今井さん

そうですね。
直接でもいいですし、コミュニティに入って活動を知ってもらったあと、できることを探してもらう方法でも構いません。

今は2ヶ月に1回定期会議をしていて、「ボランティアをしたい」「支部活動へ参加したい」という方が多数来られているので、そこへ参加してもらっても大丈夫です。
外部からも「支援したい」という方はたくさんいらっしゃるので、ぜひ気軽に参加してみてほしいですね。

− ReRe

ありがとうございます。
この記事を読んでいる方にも、ぜひ積極的に参加してみてほしいなと思います。

最後になりましたが、読者の方へお一言をお願いします。

− 今井さん

LINE公式は全国地域別、海外在住、ひとり親予定者の方も含め「無料」で登録できますので気軽にご登録ください。
そしてご興味ある方は、ぜひコミュニティ(ひとり親LINEグループ)のほうにご参加いただければと思います。

活動を通じて、「子どもの笑顔のツボは親の心の余裕」であることを痛感しています。

エスクルは、ひとつの大きな家族(シングルマザー、シングルファーザー、その子どもが参加)であり、助け合いの場所(助ける、救いあうがエスクルの語源)です。
さらに気軽に共有できる場所であり、経験・情報・物品が循環するコミュニティを目指しています。

その他にも様々な活動をしており、何かひとり親家庭のお役に立てればと考えています。

− ReRe

子どもの笑顔のツボは親の心の余裕。本当に仰るとおりですね。
エスクルさんのコミュニティを経て、今後もたくさんの子どもたちやひとり親が笑顔になっていってほしいなと思います。

本日は貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました。

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