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俳優 大浦龍宇一さん「ステップファミリーの最初のころは “木を伸ばそう、高くしよう” と急ぎすぎていた」

俳優 大浦龍宇一さん「ステップファミリーの最初のころは “木を伸ばそう、高くしよう” と急ぎすぎていた」

再婚したら、うまく家庭を築いていけるのかな..

ステップファミリーだけど、家族の関係に悩んでます..

という方へ、このインタビュー記事をお届けします。

インタビューさせていただいたのは、俳優の大浦 龍宇一さん。

NHK連続テレビ小説『天うらら』、舞台『大人計画・キレイ』のほか、近年では連ドラ『個人差あります』『飴色パラドックス』をはじめ数多くの作品にご出演。

シングルファザーであった2019年に再婚され、現在はステップファミリーとして暮らされています。

華々しい経歴を持つ大浦さんですが、これまでの再婚生活についてお聞きしたところ、まず仰られたのは反省のお言葉でした。

「大きな気づきがあった」と語る大浦さんに、ステップファミリーで学ばれた家族関係において大切なこと、ひとり親・ステップファミリーの方に今伝えたいことをお伺いしました。

目次

自分の反省点として、準備が不足していた

− ReRe

ステップファミリーでの生活について、教えていただけますか?

− 大浦さん

2019年に再婚し、現在4年目です。
息子は19歳で今年20歳になり、妻は22歳下でもうじき33歳になります。

ステップファミリーでの家庭について話すのは初めてで、ひとり親の方や、ステップファミリーを検討されている方の何かお役に立てればと思っています。

大浦龍宇一さんステップファミリー写真①

− ReRe

ありがとうございます。
ご長男の主之和(すのわ)様は昨年に高校をご卒業されたかと思いますが、今もご一緒に生活されているのでしょうか?

− 大浦さん

そうです。
ただ、今は3人では暮らしてないんですね。

今は息子がいて息子と私、息子がいないときは妻と私、というふうに少し変則的なスタイルです。
最初は3人で暮らしていたんですけど。

− ReRe

そうなんですね。
そのように暮らされている背景には、どういったことがあるのでしょうか?

− 大浦さん

「今はこのスタイルのほうがいい」と思ったからですね。
そして、自分の反省点として、準備不足がありました

どちらかというと僕は、あまり後悔することがなかった人生で、「絶対に負けないぞ」というような生き方をしてきました。
けど、そういった中で、家族や周りの人を傷つけてしまったことがあったのだなと思っています。
    

根が深く張る前に、幹・葉を育てようとしてしまった

− ReRe

反省があったとのことで、ステップファミリーになられた当初はどんなことを考えられていたのでしょうか?

− 大浦さん

わかりやすく例え話をしますね。

木をイメージしてもらいたいんですけど、自分は最初のころ「木を伸ばそう、高くしよう」と急ぐことを考えていました。
「こんなふうな木になればいいな」「こういう実・葉が生えたらいいな」というイメージを描いていたんです。

けど、木って短期間に成長すると、風とかに弱くて倒れるんですよね。

逆に、海辺で風の強いところや、砂漠で水もないところでも生きている木があります。
なぜ、そんな環境が悪い場所で生きられるかというと、根が深く広く張られているからです。

ステップファミリーも同じで、根を深く張っていくことが大切だったんです。
しかし、自分は根が深く張られる前に、目に見える上の部分ばかりを育てようとしたから、強い風が吹いたときに揺らいで倒れようとしてしまいました。

根を深く張るためには時間が必要ですが、最初はそういった大切なことを知らなかったので、物ごとを短期間のうちに進めようとしてしまった。
なので、「根が浅いから、風が吹くと木が揺れやすい」というのが現状かなと感じています。

− ReRe

わかりやすい例えをありがとうございます。
木の上の部分への意識というのは、ステップファミリーで置き換えると「3人でこんなところに行こう」「こんな暮らしをしよう」といったことに意識が向きすぎていた、ということでしょうか?

− 大浦さん

「暮らし」というのは、目に見えている部分ですよね。
相手がそれまでに歩んできた人生や、それぞれの不安・恐れ・期待といった感情や心というのは、『目には見えない』部分になりますよね。

そういった目に見えない部分ではなく、目に見えることだけを意識して「木が揺れてるから何とかしなきゃ!」といつも考えてしまっていました。
目に見える部分の中だけで「今これが足りないから、こうしなきゃ」と思ってしまったんですが、​​本当はそのときに、『根』を見ないといけなかったんですね。

− ReRe

人間って、どうしても目に見える部分に意識が向きがちですし、「再婚したらこんなことをしたいな」というイメージをまず想像するのは自然なことだと思います。
その意味では、今お話されたことは多くの人が悩んでいる点なんだろうなと感じます。
    

根が張るためには時間がかかる

− ReRe

目に見えない部分へ意識を向けるというのは、大切だとわかっていながらも、どう実践していけばいいか悩んでいる人も多いと思います。

− 大浦さん

「根を張る」という言い方をしましたけど、言葉を変換すると「時間がかかることなんだよ」という意味なんです。

僕の場合は、2018年に知り合って、1年後くらいに再婚しました。
妻は22歳も離れていて、息子は高校入学前の思春期。「3人で力を合わせれば」と描いていたイメージはありましたが、一番良い状態ではなかったのかもしれません。

つまり、何が足りなかったかというと、「根が張るためには時間がかかる」ということを認識していなかったことかなと思っています。

ステップファミリーでは、相手に自分の意見・要求を伝えるだけじゃなく、まず『理解』を示すことが大事です。
けど、自分の時間・心に余裕がないと相手を見る余裕がなくなり、自分の要求のほうが強くなってしまい、理解を示すことが足りてなかったのかなと反省しています。

根を張るための時間がかけられていなかったから、環境が悪くなったときに弱いんだと気づきました。

− ReRe

ステップファミリーにおいて、とても大切なことをお話いただいたと思います。
「時間をかけることが大切」というのは、ステップファミリーの支援団体の方も同じことを仰っていますし、「まず相手の要求を理解しよう」という姿勢も大切なことですね。

− 大浦さん

そうですね。
「相手の要求を理解しよう」ではなくて、「自分の意見を言おう言おうとするのではなく、相手に理解を示そう」ということですね。

理解を示すということは、簡単にいうと「語ることより、聞くことを多くしましょう」ということです。

優先順位として、自分の要求を伝えることより、先にまず理解を示すこと。
そして、余裕がないときでも聞く姿勢を保てるように、時間をかけて根をおろすということが大事なのかなと思っています。

大浦龍宇一さんステップファミリー写真②

− ReRe

ありがとうございます。
「聞く割合を増やす」というのは、ステップファミリーに限らず大切ですし、余裕がないときでも意識するためには時間をかけて、根を張ることが大切になるんですね。
    

「命を預かる」という意識から敬意が生まれることに気づいた

− ReRe

ステップファミリーでの子育てにおいて「こういったことは配慮していこう」といったお考えなどはありましたでしょうか?

− 大浦さん

ここ数年で気づいたことをシェアしたいと思います。

まず、家族関係を上から「自分の親」→「自分」→「子ども」とイメージすると、子どもは自分の下に位置してしまいます。
けど、そうではなく「子どもを育てるために天から預かっている」という意識に変えたんです。

そうすると、子どもは自分の下には位置せず、子どもは自分の子ではあるんですけど、自分の所有物ではなく、自分が支配する対象ではなくなります
子どもに「ああしなさい」「こうしなさい」とも言わなくなります。

どうしても親って、子どもを自分の下に見ている部分があると思うんです。
「親だから」ということで、無意識に自分の都合で子どもに価値観を押し付けてたり。

ただ、「子どもの命を預かっている」という想いで子どもに接すると、子育ても変わるのかなって。

妻に対しても同じで「自分が相手を見つけた」というより「与えられた」というようなイメージでいるほうが、相手への敬意が生まれるんですよね
年下の妻であっても、年下の息子であっても、敬意を持って接することができるようになります。

大浦龍宇一さんステップファミリー写真③

− ReRe

素晴らしいお考えですね。

「命を預かっている」という意識を持つことで人と人との関係において敬意が生まれ、相手の話を聞こうとできたり、価値観を受け入れることができる。
だからこそ、最初に「命を預かっている」という意識を持つことが重要なんですね。

− 大浦さん

そういう意味で、親って「根」にならないといけないなと思うんです
最初は「枝」とか「幹」になろうと思っていましたが。

会社でも、部下から見たときの上司が「自分のためだけに仕事してるな」ってわかるときがあると思いますが、それは上司が「枝」になろうとしているからです。
けど、本当は部下に生き生きと働いてもらうために、上司は「根」にならないといけないんです。

そして、その基本が家庭にあるのかなと思っています。

− ReRe

「根」になる意識が大切というのは、わかりやすい例えとして、多くの方にぜひ知ってもらえたらなと思います。
    

息子が今でも手紙を書いてくれる

− ReRe

子育てをされてきた中で、印象的な思い出・エピソードはありますか?

− 大浦さん

息子が20歳前になった今でも、手紙を書いてくれることがあるんです。
祝い事ではないことでも何かのときには、置き手紙がしてあって。

息子との仲の美談として伝えたいのではありません。

小さいころから親が心を込めて注いだ愛情は、いろんな険しい時間や道を通ったとしても、子どもの中にはしっかりと生き続けている、ということを読者の方に知ってもらえたらと思います。

大浦龍宇一さんステップファミリー写真④

− ReRe

素晴らしいエピソードで、本当に仰っしゃるとおりだと思います。
そして、それはきっと、大浦さんが「根」として子育てをされてきたからなんでしょうね。

最後に、ステップファミリーの方や、ステップファミリーを検討している方へお伝えしたいことはありますか?

− 大浦さん

まず、ステップファミリーの方へは「真の巨木になってください」と伝えたいです。
単に高いだけではなく、根をしっかり生やし、上にも横にも大きな木になってほしいと思います。

そして、ステップファミリーを検討しておられるひとり親の方にも「要求することではなく、理解すること」「よく聞くこと」を大事にしてほしいなと思います。

自分が親として子どもを持っていると、相手に自分のことを語りやすくなってしまいます。
語ってもいいんですけど、語る以上によく聞いてあげると、しっかり根が生えていくのかなと思います

また、相手に思いやりを示し、相手から教えられやすくなるように学ぶ態度を持ってほしいです。

親として必死になると、「自分がしなきゃ」という気持ちから「子どもに教えること」へ意識が向きがちになります。
でも、逆に「子どもから学ぶこと」を大事にしてもらいたいなと。

「教えること」と「学ぶこと」の両方をバランス良くしないと、「根」と「幹や葉」がバランス良く育たず、立派な木にならないと思います。

もし、自分の過ちを決して認めず、誰からも学ばず、教わらなければ、確実に孤独になれます。
けど、逆に考えれば、その反対のことをして、自分の過ち・弱さも認めていけば良いんじゃないでしょうか。

子どもやパートナーと良好な関係を作っていくためにも、相手から学ぶ・教わることを大切にしてほしいなと思います。

− ReRe

全ての人間関係に通ずる、本質的に大切なことをお話いただいたと思います。
しかも、それが大浦さんの成功体験というより、反省の中から出てきたお話なので、より多くの方に響く力が含まれているんじゃないかと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

俳優 大浦龍宇一さん「ステップファミリーの最初のころは “木を伸ばそう、高くしよう” と急ぎすぎていた」

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