婚活したいけど、再婚したら元夫からの養育費はなくなるの?
と悩むシングルマザーの方へ、再婚しても継続して養育費をもらい続ける方法をご紹介します。
ただし、場合によっては減額・停止になることもあるので、その条件についても合わせて解説します。
≫ 最新のひとり親向け支援情報をSNSで発信中!【シンママ・シンパパ向け】
再婚したら養育費は?→養子縁組しなければもらえる
シングルマザーが再婚しても元夫から継続して養育費をもらう方法は、ずばりこれです。
再婚相手と自分の子供の養子縁組をしないこと
「再婚」=「再婚相手が、子供の新しい父親になる」と思っている方も多くいますが、実はそうではありません。
シングルマザーが再婚しただけであれば、法律上は
「自分と再婚相手」=「家族関係」にはなるものの、
「子供と再婚相手」=「家族関係」にはなりません。
いわば、ただの同居人です。
そうすると、
- 子供と家族関係ではないので、再婚相手には扶養義務が発生しない
↓ - シングルマザーが再婚しても、子育てのお金が増えるわけではない
↓ - これまで通り、元夫からの養育費は必要だ
となるわけです。
ただ、養子縁組をしなくても、再婚相手が子供たちの生活費も含めてお金を負担している場合は、元夫からの養育費の減額が認められることもあります。
そもそも養子縁組って?
養子縁組とは、シングルマザーが再婚したあと、子供が再婚相手の養子に入って法律上の親子関係を結ぶことをいいます。
つまり、「血の繋がりはないけれど、社会的には『本当の親子』と見なすこと」を言います。
養子縁組には2種類あります。
- 普通養子縁組:前夫と子供の親子関係も継続される
- 特別養子縁組:前夫と子供の親子関係は切られる
世の中のほとんどは普通養子縁組です。
養子縁組の手続きは簡単で、養親(再婚相手)と養子(自分の子供)がそろって役場に行き、必要書類に判子を押すだけ。
シングルマザーが再婚して養子縁組をすると、大きく変わることはこちら。
- 再婚相手の相続権を、自分の子供に与えられる
- 子供の苗字が、再婚相手と同じになる
- 再婚相手に、自分の子供を養う義務が発生する
養子縁組をすると、再婚相手と子供は社会的には実の親子と同じ扱いになるので、親の遺産を受け継いだり、同じ苗字を名乗ったり、子供を養育する義務が生まれます。
養子縁組の注意点
再婚したら養子縁組を考えるシングルマザーは多いですが、養育費の点で注意が必要です。
まず、再婚相手もシングルマザーの子供の親となり、扶養義務が発生するので、いわば前の夫と再婚相手は「父親としての責務(扶養義務)」を分け合うことになります。
つまり、前の夫側からすると「父親としての責務(扶養義務)」が減るので、その分の養育費が減額が認められるんです。
これについて、次章で詳しく解説します。
シンママが再婚して養育費が減額される場合
①養子縁組をした
お伝えしたように、シングルマザーが再婚して相手と子供が養子縁組をする場合、元夫と再婚相手は子供の扶養義務を分け合うことになります。
そのため、元夫はそれまで払っていた養育費の減額を要求することができます。
ただし、元夫からの養育費がゼロになるわけではなく、あくまで元夫は「再婚相手の二次的な親」として養育費を援助していくイメージ。
※再婚相手の経済力が十分すぎる場合は、元夫からの養育費がゼロになる可能性もあります
実際に養育費がどれくらい減額されるのかは、「シングルマザー側の家庭の収入」と「元夫側の家庭の収入」のバランスから決まります。
詳しく養育費をシミュレーションしたい方は、下のサイトをどうぞ。
②元夫が再婚した
養育費の減額は、何もシングルマザー側の理由だけで起こるわけではありません。元夫側の理由によっても、養育費が減額されることがあります。
たとえば、元夫が他の女性と再婚し、その女性・子供の扶養義務が発生した場合は、元夫から自分の子供への養育費の減額が認められます。
シングルマザーからすると、
なんで、向こうの勝手な都合で養育費を減らされないといけないのよ
と思うかもですが、法律ではそれが通ります。
そしてこれは、養子縁組をしていなくても、さらにはシングルマザーが再婚すらしていなくても、元夫からの養育費の減額は認められます。
なぜかというと、法律的には
元夫が同額の養育費を払い続けることになると、元夫の再婚相手で扶養に入った女性やその子供は、生活が苦しくなってしまう
と判断されるからです。
そして、もし元夫が新しい妻と子供を作った場合、その新しい子供も養っていかなくてはいけないので、シングルマザー側の子供への養育費はさらに減額される可能性があります。
③元夫が失業・病気などで収入が下がった
元夫が病気・ケガ・リストラなどによって、収入が著しく下がった場合も、養育費が減額される可能性があります。
こういった養育費を取り決めた時点では予測できなかった収入減については、養育費の減額が認められる可能性が高いです。
再婚したら養育費についてどう考えるべきか
再婚したら、養子縁組をしなければ元夫からの養育費はもらえることがわかりました。しかし、元夫側の事情によっては、シングルマザーが再婚していなくても、養育費が減額されることもわかりました。
では結局、どうすればベストなのでしょうか?
シングルマザーにとっては「再婚相手が経済的にかなり苦しい」という場合を除けば、新しい夫からも子供に対して経済的な援助を正式に受けれる、養子縁組をしたほうがメリットは大きいはず。
しかし、再婚相手の男性によっては
妻が好きだから結婚したのであって、子供の面倒までは経済的負担を強いられてまで見たくない
というのが本音なケースもあったりします。
では、シングルマザーはこの場合どうすれば良いのでしょうか?
再婚相手に養子縁組を無理強いしない
再婚相手からすれば、養子縁組しなくても妻(シングルマザー)と結婚できます。
それなのに、わざわざ子供と事実上の親子関係になって「養う義務を背負うのは嫌だ」と考えるのも、心理的にはまあ普通のことです。
再婚相手が養子縁組してくれない!愛情が足りないんだわ!
と詰め寄るのはやめましょう。
とはいえ、シングルマザーからすると「子供も養ってほしい」と考えるのも当然だと思います。
そこでオススメなのが、
一緒に暮らしていくうちに、再婚相手と子供の関係が少しずつできていくのをしっかり待ってあげること
になります。
そして、再婚相手が自分の子供を本当の子供のように扱ってくれるようになったら、養子縁組を話し合う、のがタイミングとしてはベストです。
子供にも養子縁組を無理強いしない
再婚相手が養子縁組を受け入れてくれても、子供が嫌がる場合もあります。
法律上は、子供が15歳未満であれば、子供の同意なしに養子縁組をすることができます。しかし、15歳未満であっても、きちんと子供の気持ちは考慮してあげましょう。
子供が養子縁組を拒否するのは、もちろん「再婚相手を親として受け入れたくない」という場合もありますが、それとは別に「苗字が変わるのが嫌だから」というケースも多いです。
- 前の苗字を気に入っているから
- 別れた親と、違う苗字になるのが嫌だから
- 新しい苗字だと学校でいじめられそうだから
ただ実は、養子縁組をして戸籍上は苗字を変更しても、学校では旧姓のままにすることは可能です。
そのため、養子縁組を嫌がられた場合は、そのあたりも伝えてみて、子供の意見も尊重しながら話し合うことがベストな解決策になります。
再婚したことを元夫にも伝えておく
シングルマザーが再婚したら、よく考えるのは
養子縁組をしても、元夫に知らせなければ、今までどおり養育費を受け取れるんじゃない?
ということですが、これはオススメしません。
確かに多くの場合、離婚後の夫婦というのは子供の状況を連絡し合うだけで、お互いの再婚事情までは話さないのが普通です。
しかし、再婚して養子縁組をしたことを元夫に知らせず、養育費を全額そのまま受け取れ続けたとしても、どこかのタイミングでそれが元夫にバレる可能性だってあります。
- 子供が元夫に、母親が再婚したことを話した
- 元夫が、郵送物などで元妻の苗字が変わっていることに気づいた
そうなると、元夫から
今までの養育費を返せ!
とトラブルになったり、最悪の場合は訴訟になってしまいかねません。
仮にバレて、それまでの養育費の返金を要求されても、元夫の別れた子供への扶養義務がなくなったわけではないので、その返金要求が通ることはほぼありません。
がしかし、元夫からすると「元妻に騙された」という気持ちは残ります。たとえ離婚したと言えど、実親同士の関係悪化が、子供へ悪い影響をおよぼすのは確実です。
結果的に養育費が減額されることになっても、トラブル・訴訟を避けるため、養子縁組をする際は元夫にも伝えておくようにしましょう。
養子縁組を慎重にすれば、婚活をためらう必要なし
- 再婚したら、養育費は養子縁組をしなければ受け取れる
- ただし、元夫の事情(収入激減・再婚)によっては減額される
- 養子縁組を再婚相手・子供に求める場合は、時間をかけて
シンママが再婚したら、ひとまず養子縁組をせず、継続して養育費を受け取るというほうが良いかもしれません。
ただし、元夫への再婚連絡はお忘れなく。
そして、子供と再婚相手の関係ができてから養子縁組の話し合いを進めていく、という流れでも遅くはないでしょう。
養子縁組を慎重に進めさえすれば、婚活をためらう必要はありません。